2015年04月29日

『mohair(モヘア)』!!

今日は、『mohair(モヘア)』について書かせていただきます。

先日のブログで、テーラー&ロッジの『サマーキッドモヘア60%』の生地をご紹介させていただいたのですが、お客様より『モヘア』に関するご質問をいくつかいただきました。そこで今日は『モヘア』素材について今一度ご説明させていただこうと思います。

少し長くなりますが、最後までお読みいただければ『モヘア』についてちょっぴり詳しくなっていただけると思います!

夏場になると紳士物のスーツ生地では『mohair(モヘア)』という素材をよく見かけるようになりますが、実は決して夏場だけの素材ではないんです。冬の生地にも使うことがあります。

皆さんのイメージとしては、夏用の素材で、光沢があり、パリッとしていて、そして価格がちょっと高い(笑)、こんな感じではないでしょうか?

これらは『mohair(モヘア)』の特徴として正しいものなのですが、では『モヘア』とはいったいどんな素材なのでしょうか?

その前に、素材の特徴とは関係のないことなのですが、よく「『モヘア』と『モヘヤ』、どっちが正しいのですか?」というご質問を受けますので少し触れておきます。『mohair』を辞書で調べますと発音が[mouheər]となっていますので、日本語では微妙なところなんですが、私は「・・ア」と発音し「モヘア」と表記しています。どっちでもいいかなとも思うのですが、「モヘア」をおすすめしておきます。

では本題に。
この『モヘア』、一体どういった素材だと思われますか?
「・・hair」とありますので、何となく『なにかの動物の毛』の一種、という感じがしますよね。正解です(笑)。『モヘア』は動物の毛の一種です!

そして、『モヘア』は動物の名前ではなく、『アンゴラ山羊』という動物から刈り取った毛のことを言います。

羊ではなく『山羊(やぎ)』で、そこから刈り取った毛です!

「山羊? 山羊って、どんなんだったっけ?」「羊と山羊とどう違うんだ?」と思われた方も多いと思います。写真で見ると『山羊』と『羊』の違いは何となくわかりますが、あらためて「山羊と羊の違いは?」と聞かれると難しいですよね!

難しい言い方で恐縮なんですが(笑)、生物学的に言いますと『山羊』と『羊』は同じ「ウシ科ヤギ亜科」に属していて、『山羊』はウシ科ヤギ亜科のヤギ属、『羊』はウシ科ヤギ亜科のヒツジ属なんです。ということは似ているとうことですね・・・笑!

難しく言うとそういうことなのですが、見た目で何となく区別されている方もおられるのではないでしょうか?
平坦な牧草地で飼育され、モコモコの毛に包まれた、おっとりタイプの可愛らしいのが『羊』で、山の崖などを登ったり、結構すばしっこく走ったりしている、ちょっとイカツイめの野生タイプが『山羊』というふうに。
他にアゴ髭が生えているのが『山羊』とか、草ばっかりむしゃむしゃ食べているのが『羊』とか・・・

こんな感じでなんとなく『羊』と『山羊』が区別されている方も多いと思いますが、この「モヘア」をとる『アンゴラ山羊』、実はかなり羊に似ていて、見た目で山羊か羊かが解らないくらい羊に似ています(と私は思います)。

見た目はかなり羊よりのアンゴラ山羊ですが、ではアンゴラ山羊からとれる『モヘア』と、羊からとれる『羊毛』とではどんな違いがあるのでしょうか?

実は毛の質が全く違うんです!同じ「ウシ科ヤギ亜科」に属している『山羊』と『羊』なのですが、生えている『毛』の質がかなり違います。

大雑把なイメージで言いますと、『羊毛』は縮れがあって表面が荒い。それに対して『モヘア』は縮れが少なく表面がツルッとしている。こんな感じです。オッサンのゴアゴアした髪の毛と、赤ちゃんのツルッとした髪の毛と・・・これはちょっと例えが悪いですね(笑)

イメージはこんな感じなんですが、少し専門的な表現を使って説明しますと、『羊毛』は鱗状の表皮(スケール)で覆われていて、細かい縮れ(クリンプ)があります。これにより繊維同士が絡み合うことができ、織物になったときに『ふくらみ』や『保温性』を持たせることができます。

これに対し『モヘア』は、クリンプ(縮れ)が少ないので、弾力性・保温性が少なく、またスケール(鱗)が小さいので滑らかで、吸湿性に優れるといった特徴があります。また、モヘアは熱伝導率が低いのでヒンヤリとした夏場には気持ちがいい肌触り感になります。でも何と言ってもモヘアの一番の特徴は『光沢』です。

『モヘア』の特徴をまとめますと、繊維表面が平滑で毛足が長く、光沢があって非常に滑らか。繊維にはハリ・コシがあって反発力がある。肌触りがサラッとしていますので夏に向いた素材。また断熱性や吸湿性も兼ね備えている。
こんな感じです!

『モヘア』の産地ですが、アンゴラ山羊はもともとチベットやヒマラヤに生息していましたが、現在はトルコ、南アフリカ、北アメリカが主な産地となっています。

そして先日のブログで書かせていただきました『サマーキッドモヘア』ですが、これは、生まれて半年ほどたった子山羊(キッド)から、初めての夏に刈りとられた毛のことを言います。一生に一回だけ、生まれて間もないキッドから取る毛は非常に細く、光沢があり、またその希少性から高価な素材となります。ですので生地の価格も高くなります。

モヘヤの名称は、山羊が成長するにつれて『サマーキッドモヘア』→『キッドモヘア』→『アダルトモヘア』と変化していきます。サマーキッドモヘアは赤ちゃんの産毛のようなもので、アダルトモヘアはオッサンの・・・これまた失礼いたしまいた(笑)

長々と書いてしまいましたが、何となく『モヘア』おわかりいただけましたでしょうか?

最後にもう一度おさらいです。
『モヘア』の特徴は、光沢・ハリコシ・吸湿性・ヒンヤリ感があり、生まれたての山羊から取ったモヘアの方がお高い!

こんな感じです。

最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
posted by Tailor KATSURA at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 生地紹介
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