2018年01月11日
『ロロピアーナ&ドーメル早期受注会』に先立ちまして!!
1月26日(金)から開催予定の、2018年春夏生地『ロロピアーナ&ドーメル早期受注会』に先立ちまして、今日はロロピアーナ、ドーメルのブランドやコレクションの特徴をまとめてみました。
ロロピアーナはイタリアを代表するミルです。それに対しドーメルは、英国製の生地を中心にコレクションを作り上げるマーチャントです。英国製の生地を中心にと書きましたのは、コレクションにはイタリア製の生地もあるからです。
ここで、『ミル』と『マーチャント』の用語の説明を簡単にさせていただきます。
『ミル』とは、生地の企画から生産までを一貫して自社で行なうブランドです。ですので、ロロピアーナやゼニアのようなミル・ブランドが企画生産した生地は、他のブランドで出回るということはありません。完全オリジナルです。
それに対し『マーチャント』は、生地の生産を外部の工場に委託し織ってもらいます。工場にはそれぞれ得意な分野がありますので、その特徴を上手く使い分け、自社の企画する生地を織ってもらいます。参考までに、マーチャントには自社の企画ではなく、工場の企画生地を集めてコレクションを作るところもあります。この場合、違うブランドで同じ生地がコレクションに入ってしまうといったことがでてきます。
話を戻します。
ロロピアーナの特徴はやはりイタリア企画・生産のしなやかでツヤのある生地感が特徴ではないでしょうか。もちろんそうでないコレクションもありますが『TASMANIAN』を代表とする艶やかなコレクションは上質で高級感があります。上質な仕立てが合わさると、仕立上りはとても柔らかく、素材の良さを感じることができます。
ドーメルのコレクションは英国生産が多いため、生地感はロロピアーナとは異なってまいります。全体的にロロピアーナよりもしっかり感のある生地がコレクションされています。ドーメルの代表コレクションの一つに『AMADEUS』がありますが、ロロピアーナの代表コレクション『TASMANIAN』がSuper150'sの原毛を使って織っているのに対し、『AMADEUS』はSuper100'sの原毛を使用しています。原毛の細さだけをみるとロロピアーナの方に分がありそうですが、『AMADEUS』の光沢感、生地感には素晴らしいものがあります。このあたりは各ブランドの生地に対する考え方の違いが出ていると思います。
生地の色柄についてです。ロロピアーナは落着いた色使い・柄出しが多く、安心感があります。対してドーメルには派手目の色柄がコレクションに入っています。正にこれが”ドーメルらしさ”でありドーメルの大きな特徴であります。派手過ぎるデザインもありますが(笑)、常に新しさを追求していくドーメルの姿勢を感じることができます。
ゼニアが毎シーズン全コレクションを刷新するのに対し、ロロピアーナとドーメルはコレクションを数年間継続します。スーツを作った翌年にベストを追加で仕立てたり、傷んだパンツの代わりをもう一本作ったりすることも可能です。コレクションの複数年継続はお客様にとっても安心できるシステムだと思います。
ロロピアーナ、ドーメルに限らず全てのブランドは、その特徴を守りながら、ニューコレクションの内容には常に新しい試みがされています。今までになかった色使い、柄、素材など、少し掘り下げてコレクションを見てみるのも楽しいものです。
2018年春夏コレクションでは、ロロピアーナでは『WISH(ウイッシュ)』『ELEGANZA(エレガンザ)』が刷新され、『ZELANDER UNIT(ジランダーユニット)』が新しく登場します。ドーメルでは『Tropical AMADEUS(トロピカルアマデウス)』『EXEL(エクセル)』『DORSILK(ドーシルク)』などが刷新されています。
各コレクションは、数年先のドレンドを見越して作られた内容になっていますので、これから先の生地の傾向をつかむこともできます。
ロロピアーナ、ドーメルはゼニアとともに、世界の生地業界をリードするビッグブランドです。是非ニューコレクションをご覧いただき今後のスーツ作りのご参考にされてください。
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