2010年10月14日

シリーズ!オリジナル ”オーダーPea Coat(ピーコート)”Part2!!

この『Part2』では、T.Sさんのピーコートのトルソー(人体)にお掛けたした画像をご覧頂きながら仕様等の説明を、『Part3』ではご着用写真の説明、そして『Part4』『最終回』では『Tailor KATSURAオリジナル・オーダー・ピーコート』のサンプル画像をご紹介させていただくのですが、先に補足をさせていただきたいことがございます。

T.Sさんは目立たれることが本当にお嫌いな性格で、オーダーの服を着ていることも出来れば人に気づかれたくないという方なので、当初「40もとっくに過ぎた普通のおやじのピーコート姿なんか見ても誰の参考にもならないよ。今回はトルソーの写真だけで着用写真は無しでも良いでしょ?」と仰られたのですが、お願いして何とか着用写真も撮らせて頂きました。

その時一つだけ条件を出されて、「桂さんが、ブログを見ているお客様に、少しでも参考になれば、と熱心に説得されるので今回も着用写真をOKするけど、変にローアングルから遠近感を利用して撮ってスタイル良く見せたりして、服や全身の本当のバランスが分からないような、顧客の皆さんの為にならない写真なら僕はお断りしますよ。そんなイメージ写真はやめて下さいね。第一、低い位置から服を見るのは日常生活ではせいぜい椅子やソファーに座っている時ぐらいでしょ。人が着ている服がちゃんと本来のバランスで写るように、床から120~30センチ以上のアングルで撮ってくれるなら載せてもらってもいいですよ」と仰られました。

という手厳しい条件(というか、服飾業界にお詳しいT.Sさんがお客様目線で、いろいろな写真や画像を見たりして普段感じられたことなんだなぁ、と思いました。)をいただき、きっちり着用写真は三脚で約130センチに設定して撮らせていただきました。

それから、T.Sさんのピーコートには、難しいご体型に合わせた体型補正が入っています。デザイン等もT.Sさんが考えられる”体型とのバランス”でお好みに合わせています(T.Sさんのピー・コートなので当たり前ですね・・・笑)。ですので当店のトルソー(人体)には合っていません(笑)。T.Sさんのピーコート画像をご覧になる場合は、着用写真で全身のバランスやドレープのラインを見ていただき、トルソーの写真でディテールや上襟の雰囲気等の確認をしていただけば幸いです。ちなみにシリーズの最終回にお伝えする『当店オリジナル・オーダー・ピーコートのサンプル』は、体型補正などを一切していない正体でのモデルです。
以上の点を参考にされてご覧いただけたらと思います。


それでは『Part2』のT.Sさんのピーコートの詳細な仕様をご説明始めさせていただきますね。

T.Sさんが今回オーダーされたピーコートの基本コンセプトは、
・デザイン自体はミニマムにする
・全体のドレープラインと打ち合いやVゾーンのバランスで大人のピーコートに仕上げる
・上襟に登りや立体感を出し、通常の状態でも首にマフラー等を巻いた時でも襟のバランスをとる
・上襟を立てた時に美しい立体感とロール感を出す
・T.Sさんの特徴であり長所でもある長身の体型と、他に目の引くところのないミニマムデザインとの兼ねあいを考えた時に、上襟が全体から埋没しないよう(襟をあまりこじんまりとし過ぎてしますと、先に大きな体格に目がいってしまい、襟の大きさや雰囲気などの印象が完全に飲み込まれてしまうという意味です)に少しだけシャープでモダンテイスト寄りに仕上げるです(T.Sさん談)・・・イメージが明確ですね。

さらにT.Sさんはピーコートの上襟の立体感へのこだわりは凄まじく、細かいご説明はブログでは出来ませんが、ネック回りの設定や台襟の形状等ご自身でも色々検討分析されていて、裁断士に資料を見ながら最初の打ち合わせの時から徹底的にこの部分を話し合っていました。(この部分の徹底した検討が当店のサンプル作りにも反映されています)

デザインの基本コンセプトがミニマムですので、実用面と同時に視覚的なデザイン要素である『縦のマフポケット』をあえて今回は採用されませんでした。写真をクリックして拡大していただくとわかり易いのですが、そのかわりにドレープライン重視で前身にダーツが入っています。

素材は英国製のウール100%重量は1mあたり835g 約30オンス近い本格派のヘビーメルトンを使用しています。はじめにハリソンズの紺色の100%キャメルヘアーのコート素材と迷われたのですが、やはり直球ど真ん中主義のT.Sさんは、ウールのヘビーメルトンでオーダーされました。このへビーメルトン生地は本国のミルの都合で別注してからデリバリーに約半年近く時間がかかってしまいました・・・汗

構築的になる肩パッドやたれ綿等は無しにし、袖付けは身頃高のタイプにしています。ウエイトがかなりある生地なので、ドレープ重視とはいえ胸などの芯に硬くて重いものを使うと非常に着づらくなりますので、そのあたりも出来るだけ軽快感を失わないよう工夫をしております。

トルソーに乗せた画像をどっとご紹介しながらご説明させていただきます。

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左:ボタンを全てとめた状態です

中:第一ボタンを外すと、下衿のロール感が出てくるのがご覧いただけると思います

右:襟を完全に立てボタンを閉めて『チンウォーマー』をはめた状態です

「既製品の有名なピーコート(名前は伏せます)で、胸の立体感を出すために襟下に『あご癖ダーツ』が切られているものもありますが、仮りにボタンを全て閉めるとことがなくても、スーツと違って襟を立てる可能性がある以上、立てたときに見える『あご癖ダーツ』はそれをデザインの一部捉えるなら既製品なら全然問題ないと僕は思いますが、いくら胸のドレープを重視するとはいえ、僕のピーコートには『あご癖ダーツ』は入れないで下さい」(T.Sさん談)と、ここにもこだわりのポイントがあります。

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左:バックから。衿は立てています。後ろのシェイプがご覧いただけると思います

中:斜めからです。真後ろからの写真では判りませんでしたが、スーツと違い背中の振込みと後ろ裾のフレアーを調節して少し裾が跳ねる感じを出しピーコートならではの軽快感を出しています。逆に裾のサイドのフレアーはTSさん場合骨盤の横幅が大きいので、今回はそれほど入れないで仕上げているのもご自身の体型を熟知され、いかに全身とのバランスを取るかを気にされているT.Sさん流のこだわりです。

右:マフラーを巻くと、衿の見える感じが先ほどと少し変化がでてくるのが写真でもご覧いただけると思います

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左:マフラーを巻いて第一ボタンを外した状態

中:マフラーを巻いて衿を立てた状態。立体感を持たせながら、やわらかいロール感のある綺麗な衿の立ち方がご覧いただけると思います
(私が左右で少し立て方がアンバランスなのに気づかず撮影していまいました。本当に皆様すみません)

右:斜めからです。こちらのアングルからも襟を立てた時のT.Sさんがこだわられる、上衿の見え方のバランスと立体感のある柔らかいロール感がわかると思います。
ちなみに仮縫い時の上衿は、本縫いされていない襟を仮付けしている状態ですので、立体感やバランス等を見極めるのが非常に難しいのです。T.Sさんは型紙の形状・生地の特性・アイロン処理した後の襟の変化などを裁断士と細かく検討され、出来上がりを立体的ににイメージされていたのが印象的でした。
(現在は、製品見本でご確認していただけますのでご安心下さい!)

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マフラーを巻いてボタンを全て閉めるとこんな感じです。ポケットのスラント具合もご確認いただけると思います。

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左:袖口のフラップの形状はT.Sさんのご指示で少しカーブをかけた形状にしました。お客様にお作りいただく時は、フルオーダーですのでもちろんフラップのデザインもお好みで変えることができます。

右:普段『チンウォーマー』を使用しない時は見頃裏にしまうことができます。

裏地は厚手のキュプラの薄いブルー系のストライプです。T.Sさんは、スーツ等では柄物等の裏地はお付けになりませんが、今回はピーコートということで少し裏地にもカジュアルな感じを出されました。またスーツの上着やジャケットと違い、脱いで飲食店のクロークや美容室等で預ける場合も多いと想定されて、「店員さんに探してもらう時にストライプの裏地がチラっと見えたら、ちょっとは店員さんが探し易いでしょ!」と仰られていました(笑)

まだ説明不足の部分もあると思いますが、写真も多め目に載せましたので、皆様にもある程度雰囲気やディテール等をご確認していただけたと思います。

それでは今回はこのあたりで終わらせていただきます。

次回『シリーズ!オリジナル ”オーダーPea Coat(ピーコート)”Part3!!』はT.Sさんのご着用写真をご紹介しながら進めて参ります。

お楽しみに!!
posted by Tailor KATSURA at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | コート
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