2012年06月26日

2012お仕立説明 Part11『オーダー(注文)の流れ』

Part1では簡単に『オーダースーツのシステム概要』を説明させていただきましたが、ここではもう少し詳しく『オーダー(注文)の流れ』をご説明させていただきます。

オーダースーツの『オーダーの流れ』は、システムの違い(パターンオーダー、イージオーダー、フルオーダー)によって違ってきますが、同じパターンオーダーであってもお店によってその流れは違ってきたりします。

ここでは一般的な流れでご説明させていただいておりますので、必ずしもご説明させていただく内容が全てではございません。また説明とは流れが逆になったりする場合もあると思いますが、その点はご容赦お願いいたします。

ーー【パターンオーダー】ーー
『パターンオーダー』では、まず用意されたモデル見本の中から気に入ったデザインを選んでいきます。デザインが決まると次ぎに採寸をし、お体に合うサイズ見本が用意されますので試着し着用感を確かめていきます。そのサイズより大き目のサイズや小さ目のサイズなどを着比べ、一番しっくりくるベースとなるサイズを決めていきます。次に微調整を行います。上衣丈、袖丈、胴回りのサイズを調整出来るのが一般的です。
お客様は鏡を見ながら、「もう少し短く」とか「もっとタイトに」など、ご希望を伝えながらサイズを調整していきます。システムによって調整ができる箇所・調整幅が違いますので少し注意が必要です。
また仮に大幅な調整が可能であっても、あまり調整をやり過ぎるとせっかく気に入ったデザインからかけ離れたものになりかねませんのでスタッフの方と相談しながらするのが良いかと思います。

基本的に『パターンオーダー』はスタイル重視で、体型に細かくアジャストしていくという概念はありませんので、一般的には体型補正を入れることはできず、仮縫いを付けることはできません。(中には体型補正が可能なシステムもあるそうです)

ーー【イージオーダー】ーー
『イージオーダー』では『パターンオーダー』で出来なかった体型補正が可能となり、より体型にアジャストされたスーツを作ることができるようになります。

お客様は『パターンオーダー』と同様に、まずモデル見本の中から好きなデザインを選びます(現物のモデル見本が無い場合もあります)。その後、生地サンプル帳(現物の生地の場合もまります)から生地を選びます。一般的には『パターンオーダー』と比べると選べる生地の種類も増えます。現物の生地がある場合は肩から掛けてもらったりするとイメージがつかみ易いです。生地見本帳からの生地選びは慣れるまでは難しいので、どんどんスタッフの方に相談した方が良いと思います。また生地によりウエイト(生地1メートルの重さ。重いほど生地は分厚くなります)も異ってきますので、着用シーズン、お好みを店員に伝え、アドバイスをもらいながら選んでいくのがいいと思います。 

続いて採寸となります。『イージオーダー』では体型補正を入れることができますので、より着心地のいいスーツを作ることが可能です。採寸時はお客様のスーツの好みをしっかり伝えましょう(タイト感など)。サイズが違えば同じデザインでも見え方、着用感がかなりかわってきます。サイズ見本がある場合は、複数のサイズ見本を着せてもらって慎重にサイズを決めていきましょう。

サイズ調整ではどうしてもウエスト部の絞り加減などに目がいきがちですが、肩幅の調整にも目を配って下さい。大き目の肩幅は一見楽そうに感じますが、ジャストの肩幅の方が必ず着心地はいいものです。肩幅を体型にアジャストした服作りは、ゆとりのある大き目の服を作るより難しくなりますが、是非こだわっていただきたい部分です。
複数のサイズのゲージサンプルを利用して、「肩回りはこのサイズ感で」「お腹回りはこのサイズ感で」と個別に指図するのも上手なやり方です!!

『イージオーダー』ではディテールも色々選べたりオプションも用意されていますので、よりご自身のお好みにカスタマイズすることが可能になってきます。ただ、お店によって無料のもの、有料のもがバラバラですので確認しながらオーダーしていく方が賢明です。

ーー【フルオーダー】ーー
『フルオーダー』においては、いくつかのオーダーの仕方(流れ)があります。

1つには、お好みやイメージをお店に伝えて、お店にある程度任せて作ってもらうというやり方です。オーダースーツにまだ慣れていらっしゃらない方や、お店の『味』を引き出したい方にはおすすめですが、必要最低限のことは伝えておかないと出来上りとイメージとが違ってします場合がありますので注意が必要です。

その他には、イメージを絞り込んで、サイズ、デザインなどを細かく指定する方法です。このやり方はテーラーによっては全てを受けつけてもらえない場合もあります。『フルオーダー』と言っても「この部分は譲れない」というハウススタイルをお持ちのお店もありますのでお店との十分な打合せが必要です。

いづれにしましても、何らかの方法でテーラーにイメージを伝えなければいけません。例えばお気に入りのスーツを着ていくのも一つの方法ですし、画像や動画を用意したり、部分的にスケッチを描いていったりするのもいいと思います。イメージの伝え方はお客様のやり易い方法でいいと思うのですが、肝心なのはイメージが確実に伝わったかどうかなのです。
もしどうしてもイメージがお店に伝わらず不安に思ってしまうようでしたら、注文を取り消す勇気も必要です。

『イージオーダー』『フルオーダー』では、作りたいスーツのイメージがはっきりと決まってる場合、事前にお店のシステムを下調べして、思うスーツが作れそうか確かめておくのが良いと思います。
時間がある場合は一度お店に行き店員と話をするなどして感触を確かめるのがいいと思います。(参考Part7)

またいづれのオーダーでも、納期は必ず確認するようにしましょう。
着用日が決まっている場合、納期の設定には余裕を持たせましょう。着用日まで余裕あれば、もし不測の事態がおこっても何とか対応することが可能です。
posted by Tailor KATSURA at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | クラス別お仕立説明
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