2012年07月10日

2012お仕立説明 Part12『採寸』

『パターンオーダー』『イージーオーダー』『フルオーダー』、システムが違うと採寸方法も違ってきます。今回はその違いと採寸時の注意点をご紹介させていただきます。

ただし前回の Part11同様、お店によってその方法が異なることがございます。ここでの説明は一般的な方法を取り上げていますのでその点ご了承いただきたいと思います。

採寸には大きく分けて、”メージャーを使った採寸(メジャー採寸)”と、”ゲージサンプルを使った採寸(ゲージ採寸)”とがあります。(またお店によってはメジャーだけでなく採寸専用の特殊な器具を用いて採寸するお店もあります。)

『パターンオーダー』や『イージーオーダー』ではメジャー採寸とゲージ採寸の両方を行うお店が多いです。その場合、まず最初にお客様のヌード寸を測らせていただき(ヌード寸と言っても服の上からですよ・・・笑)、次にサイズに合ったゲージサンプルをお客様に羽織っていただき、出来上がりのイメージをつかんでいただきながらサイズを決めていきます。

ゲージサンプルを使った採寸では、実際に商品を羽織るのでイメージがつかみ易く、オーダーに慣れていない方でも出来上がりのイメージがつかみ易く、大きな失敗を防げるメリットがあります!

これに対して『フルオーダー』ではメジャー採寸のみで行うのが一般的です。その理由の一つには「一から作るフルオーダーにおいてゲージサンプルを羽織っていただくのは失礼である」といった考え方もあるようです。

採寸の仕方(道具)や箇所はテーラーによって違いますが、『パターンオーダー』や『イージーオーダー』よりも細かく採寸されるのが普通です。

しかしいくら細い採寸といっても、メージャーだけの採寸はお客様には分かりずらく、どうしても受け身の採寸となってしまいます。

そこで『フルオーダー』の採寸時においても、可能ならばサイズサンプル(ゲージ服)や出来上がり見本を羽織らせてもらうのがいいと思います。言葉だけではなかなか上手く伝へにくいものもありますし、サイズ感だけでなく仕上がりのイメージなども同時に打合せできるので、お客様にとってもテーラーにとっても非常に有効な方法かと思います。

次に、採寸時の注意点を書かせていただきます。

『イージーオーダー』や『フルオーダー』の採寸時には、テーラーはお客様の寸法を測っているだけでなく、お客様の体型の特徴も見させていただいています。

採寸を始めますと、どうしても必要以上に体に力が入り(笑)、姿勢が普段より良くなって反っくり返った感じになってしまいます。テーラーは採寸時以外のリラックスされたお客様のご姿勢も確認していますが、より正確に採寸するためにもできるだけリラックスして普段のご姿勢で臨まれて下さい。(結構これは難しいのですが・・・汗)

またテーラーが採寸し易い服装で臨むのも大切なことです。気に入ったスーツを着て行くなどしていただければテーラーはとても助かります(笑)。そうしていただくと採寸もやりやすいですし、正確に採寸出来るのです。

採寸はテーラーからお客様への一方的なアプローチのように思われがちですが、実はそうではなく共同作業的な要素があるとても大切な行程なのです。
posted by Tailor KATSURA at 22:08| Comment(0) | TrackBack(0) | クラス別お仕立説明
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