今日ご紹介させていただきますスーツは、シリーズ(仮縫い、中縫い)でお届けしておりましたF様のスーツが納品となりましたので、ご紹介させていただきたいと思います。
前回、中縫い時での修正事項は、
・衿の返り具合をもう少し立ち気味にする。
・肩甲骨回りの微調整。
・袖を少し細くする。
等でした。
中縫いでは既に出来上がっている箇所もありますので、修正出来る箇所には制限があります。
理想は、中縫い時にはほぼイメージ通りに出来上がっていて、本縫いで少し気になる所を微調整する程度、という状態です。
F様のスーツは中縫いでほぼイメージ通りに仕上がっていましたので微調整で済みました(ホッ)。
そして本縫いでは、中縫いで綺麗に出ていた胸のドレープを逃がさないように仕上げるよう職人に再確認を取りました。
今回で完成ですのでブログをご覧になっている皆様により解り易くお伝えできればと考えてF様のご協力のもと全身の写真も搭載させて頂きましたのでご覧下さい。
微調整事項を本縫いで修正し出来上がりましたスーツです。
いかがでしょうか?
英国調の豊かな胸のドレープからウエストへ繋がる立体感も綺麗にでているのが写真でもご覧いただけると思います。
肩甲骨の左右の出っ張りの違いによる皺なども綺麗に修正され背中も綺麗に仕上がりました。
(フラッシュ焚いてしまい上下で色が少し違う感じに見えますね。撮影技術が低くてすみません)
F様の今回のスーツのイメージのご要望が英国調とイタリアの融合とのことでした。基本的には英国調スーツであるのですが、ほんの少しウエストポイントを上に持ってこられたり、肩線とほぼ平行で高いゴージラインなどの現代のクラシコ的要素をF様のお好みで少し取り入れられたり、前の釦を止めると少し引けじわが出るように仕上げて頂きたいなど、F様からの非常にこだわりのあるご注文を頂きそのように仕上げさせて頂きました。
仮縫い2回、中縫いをさせていただき,F様にも気に入っていただきましたが、それでもなかなか初めから100%完璧というのは難しいものです。何処かしらもう少しこうしておけばよかったというところが何度かお客様がご着用頂くうちに出てくる場合もございます。そしてその事を踏まえて次に生かしていくのもオーダースーツの楽しみの部分でもあり、そのお手伝いをさせていただくのが私どもテーラーの仕事であります。
今回でこのシリーズも最終回となりますが、当店のオーダースーツにおけます、仮縫い、中縫い、完成までがどういうものか、またその雰囲気などをブログをご覧下さっている皆様に少しでも感じていただけましたなら幸いです。
(今回のシリーズの説明よくわかったよ!またこの部分の説明がわかりずらかった等、当ブログをご覧になっている皆様からお気軽にご感想のコメントなど頂けるとうれしいです・・・笑顔)
最後になりましたが、このシリーズをブログに掲載するにあたり、F様には大変ご協力をいただきました。この場をお借りしましてお礼申し上げます。長期間に渡りありがとうございました。
かつら
2007年10月05日
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採寸、さらに生地端を郵送+メールで反物を確認となった生地選び。よくもまあ、想像以上の生地を見つけてくださって!
2回に渡る仮縫いにはカッターさん・職人さんから専門家ならではの貴重な意見を伺う事が出来ました。ただ意見を押し付けるでもなく、私の無茶な頼みを「ここまでは無理」「こうした方が良い」と寄り添うように聴き、一生懸命考えてもらって・・感謝、感謝です。
仮縫い・中縫い中にその場で修正、再度フィッティングしていただけたのはその機動性にビックリ!
キワキワまでアームホールを攻め、袖を細くしたので、運動性がもっと犠牲になるか?と思ったのですが引取り時に十分な運動量が確保できているのには大満足でした。重量級の生地なのでこの秋冬にガンガン着こんで行き、さらに体に沿わせていくつもりです。
今後も大阪出張ある時は必ず寄らせて頂き、わがままなリクエストをさせてもらいます(笑い)!
かつら