2007年09月06日

2回目の仮縫い!!

今日は現在中縫い作業が進行中の、F様の先日行いました2回目の仮縫いの模様をお届けしたいと思います。

F様はオプションとしまして、仮縫いを2回と中縫い付きをご希望されていました。

1回目の仮縫いは通常通りの仮縫いを行い、2回目の仮縫いは中縫いに向けてさらに細部をつめていきます。例えば、ラペルのデザインを決めるのに、分かり易くするためシーチングで作った衿型を縫い付けています。また2回目の仮縫いでは1回目の仮縫いを修正し改良すると同時に、お客様了解のもと、実験的に思い切って補正を入れる場合もあります。

F様の場合は1回目の仮縫いの時点で鎌の深さを極力浅くして欲しいとの要望があり、決して深い鎌ではなかったのですがさらに1センチ浅くすることにしました。結果、ダキの部分において、下前(正面から見て左側)に皺が出ました。この皺は1回目の仮縫いでは出ていませんでした。

この後、袖を外しアームホール周りを確認すると少しつかえた状態になっていましたので、つかえている量を確認し補正いたしました。そして中縫いで再確認いたします。

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F様のダキ部がそうであったように、どのお客様の体も決して左右均等ではありません。その部分を仮縫いでじっくり見させていただき補正していきます。

背部においては、すこし余裕があり過ぎたのと、肩甲骨の左右の高さが違うため皺が出てしまった点を補正していきます。また袖の後ろの二の腕辺りも落ち着きが悪く皺が出ていましたので、袖のパターンを修正していきます。


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補正においては、その補正を入れることによって起こりうるマイナスの要素、全体のバランス等を考えながら行っていきます。また当店では極力お客様に補正につてご説明させていただき、よりご自身のお洋服に対する理解が深まるよう心掛けております。

2回目の仮縫いでほぼご希望のイメージに近くなりましたが、ラペルの巾を少し広くし、ロープショルダーのボリューム感をもう少し出すことになりました。

現在、以上の内容を修正し終えた中縫いが上がって参りました。

うまくいっているか少しドキドキですが(笑)、中縫いの模様はお客様のご了承をいただけましたら、またご報告させていただきます。

かつら

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2007年09月05日

お客様スーツご紹介

今日は、当店のお客様であります ”ダイスケさん”にご注文いただいたナポリスタイルのスーツをご紹介させていただきます。

ダイスケさんは以前よりナポリスタイルのスーツにご興味があり、”いつかはハンドメイドで作るぞ!”と宣言しておられました。そして先月の猛暑厳しい折(大阪は地獄風呂状態でした)にご注文をいただきました。
ありがとうございました。

仕様の特徴は肩周りにあります。たいへん目を引く、限界までイセを入れたマニカカミーチェ、鎌を浅くし一杯まで小さくしたアームホール、着心地を重視してノーパット仕様などです。

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仮縫い時には ”肩周りが非常に楽”と仰っておられました。

またゴージラインは今までにお作りいただいているものより高くしました。

ダイスケさんは前腰姿勢で、ふくらはぎが発達しておられるので、通常のパターンではパンツの横からのシルエットに大きな引かれシワが出でしまいます。
そこでふくらはぎにストレスがかからないよう型紙を操作し、くせも十分に取り,横から見るとカーブがかかったパンツに仕上げます。また裾口はダブルのモーニングカット仕様です。

ダイスケさんは大変出来上がりを楽しみにされていますので、プレッシャーがかかっておりますが(笑)、喜んでいただけるスーツに仕上がるようがんばって参ります。

またお客様の承諾を得られましたら出来上がりのご報告もさせていただきたいと思いっております。

かつら
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2007年08月30日

遠方からのお客様

以前4月18日のブログで紹介したビンテージのホーランドシェリー目付465グラムの生地でご注文いただいたお客様にブログ掲載の許可をいただきましたので再度取り上げさせていただきました。

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服飾業界にお詳しく当店のオーダーシャツについてアドバイスやご尽力頂いています当店顧客のTS様からのご紹介でご遠方からわざわざご来店頂きましたF様。
F様は色々な有名サルト等でのオーダー経験も豊富な方で、今回は英国調ドレープの効いた砂時計シェイプのスーツの作れる所を国内で探されていて当店顧客のTS様に色々とご相談されたそうです。

F様ご自身は国内有名テーラー数件を候補に挙げられていたそうですが、出来ればハウススタイルが英国調一辺倒ではなく、ナポリテイストのクラシコ系から英国調の砂時計シェイプまでその都度柔軟性をもって仕立てるテーラーが良いとのご希望で、それならとTS様はF様に当店をご推薦頂きました。

F様の”仮縫い編”は後日取り上げさせていただきます。
posted by Tailor KATSURA at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) | お客様スーツ

2007年04月18日

ビンテージ!!

今日は先日ご注文をいただきましたF様の冬用ビンテージ生地をご紹介させていただきます。

実は、先に別生地でご注文をいただいていたのですが、”もっと目付けがあって、ビンテージな生地を!”というご意向で、生地を見立て替えすることになりました。

F様はご遠方のお客様ですのでちょっと寄っていただということが出来ません。そこで探してきた生地のスワッチを6点程郵便で送りその中から今日ご紹介する生地を選んでいただきました。

選んでいただいたのはHolland & Sherry社の450グラム/mを超える非常にヘビーウェイトでずしりとくるしっかりとした素材です。柄いきもすごくカッコイイです。

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出来上がりが楽しみですが、今回F様は仮縫い2回、中縫い1回とうスケジュールでさせていただきますので出来上がりは9月か10月の予定です。

かつら
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2007年03月31日

お客様スーツのご紹介2

今日ご紹介するのは、40才台のS様のジャケットです。
S様のご要望は、”カジュアルに着るのだけれども、あまりカジュアル過ぎず、ちょっとした所にも着ていく事ができる上品なジャケット”というものでした。

そこで素材はカジュアル感が出過ぎる麻はやめ、ウール100%でカジュアル感のある素材にすることにしました。そして強撚素材でシワになり難く杢糸でカジュアル感もあるこの素材を選ぶ事にしました。

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デザインはシングル2ボタンのアンコン仕立てで、袖付けはマニカカミーチャ仕様、片ごかしにして総ステッチを入れています。ボタンは明るめのナットボタンを付け、ボタン位置は高めにしました。ボタンは貝ボタンに付け替えてもいいと思います。

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ハンドメイドで作らせていただいたこのジャケットはとても軽く仕上がりました。また素材がシワになり難いのでご旅行など着ていかれてもとても重宝すると思います。

かつら
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2007年03月29日

お客様スーツのご紹介1

ブログでお客様の新調をご紹介していきたいと思います。
今回は,T様のロロピアーナの100%コットンを使ったスーツです。

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生地選びのポイントは明る過ぎず暗過ぎず、タイト過ぎずルーズ過ぎずでした。
控えめな性格でいらっしゃるT様の上品な選択でした。
パンツも1タックとし,あまりタイトにしませんでした。
時代に左右されず長くお召しいただけると思います。
まだT様は出来上がりをご覧になっていませんが、きっと気に入っていただけると思います。

かつら
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