2013年09月20日

お客様からのご質問Part7、『オーダーでスーツを作るメリットは?』

「オーダーでスーツを作るメリットは何ですか?」ーー。というご質問を受けることがあります。

着心地が良くなるという以外に、「何か他にもないですか?」というお尋ねです。

そもそもスーツは、自分に合ったもの(デザイン、サイズ、好みの生地など・・・)を見つける事ができればそれで問題はなく、「スーツはオーダーで作らなきゃ絶対ダメだ!」なんていうことは決してありません。

しかし、それには時間と労力がかかります。

そのお手伝いをさせていただくのがテーラーの仕事の一つです。
テーラーにイメージがしっかり伝われば、少ない労力で理想のスーツを手にすることができます。

でもそれはスーツが出来上がるまでの話、メリットは出来上がった後にもあります!

オーダーでスーツを作ると、お客様の体や出来上がりのスーツのデータが残ります。これがのちに様々な形で生かされていきます。

例えば、オーダースーツを作るにあたっては、必ず『採寸』という工程があります。この採寸の結果を知ることにより、お客様は今まで気付かなかった様々なことに気付くことができます。
ご自身の体の正確なサイズはもちろんのこと、自分では気付きにくい体型の特徴なども知ることができます。テーラーの鏡の前に立ち、全身が写し出されたご自身の体を見ると、「えっ、オレってこんな体型していたの?」とか「姿勢が悪いなぁ」など、色々気付かれることだと思います。

さらに体の『前後・左右のバランスの違い』や『長さの違い』などにも気付くことが出来ます。

体のサイズは変化のあるものですが、体の特徴はそうそう変わるものではありません。これを知っているとこれから先、スーツ以外の服を購入する際にも自分自身の判断材料となり、間違った買い物をしてしまう確率がグッと低くなります。

また、一度オーダーでジャストフィットのスーツを作れば、そのスーツが一つの基準となり、合わないスーツを着るとすぐに分かるようになります。ジャケットやパンツ単品でも同じ事がいえます。

変な表現ですが、『体が肥える』といった感じです。(太るという意味ではないですよ・・・笑)

このように、スーツのオーダーメイドは、お客様が将来においてプラスとなる様々なことを気付かせてくれます。

お仕立て説明 Part.16『テーラーはスーツのかかりつけ医』で、信頼をおけるテーラーを見つける事が出来たときのメリットを書かせていただいておりますので、是非こちらもご参考いただけたらと思います。
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2012年07月16日

2012お仕立説明 Part16『テーラーはスーツのかかりつけ医』

信頼を置けるテーラーを見つけ出し、その店と長くつき合えることが出来れば、それは人生の良き伴侶を探し得たようなもの(笑)。そのテーラーに任せておけば、スーツに関する様々な悩み・問題を解決してくれますので、正にかかりつけ医的存在です!

仕事における自己表現としてのスーツをテーラーに任すことができれば、仕事にも集中出来ますし、何より時間を有効に使うことが出来ます。

いきなり信頼関係が出来る訳ではございませんが、長くつき合っていくうちに自ずと出来上がってくるでしょう。

スーツ作りを楽しむという意味から、いろいろなテーラーでオーダーされる方もおられますが、それはそれでオーダースーツの楽しみ方の一つだと思いますので否定するものではありません。

テーラーにはお客様の過去のデータがありますので、その資料を見ながら次に作るスーツの色柄を決めたりすることができます。

過去の資料をどこまで保存しているかはテーラーによって異なりますが、懐かしい資料を見ながら思い出話ができるのもテーラーと長く付き合った証と言えるでしょう。

また出来ることならば、スタッフの入れ替わりが少ないテーラーが理想的です。
過去の資料は残っているとはいえ、担当があまり頻繁に変わっては、微妙なニュアンスをまた一から伝え直さなければいけません。せっかく培ってきたツーカーの関係を再構築しなければいけない・・・これは大変なストレスになってしまいます。
スタッフと息が合ってこそ”かかりつけ医的テーラー”と言えますのでこれは大変重要な事だと思います。

”長く付き合えそうなテーラを見つけ”というのも、テーラー探しの一つの方法だと思います。
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2012年07月15日

2012お仕立説明 Part15『スーツ着用の意味を考える』

『クール・ビズ』がすっかり定着し、『ノータイ』が社会的に認められるようになり、夏場のビジネスマンの姿はすっかり様変わりしてしまいました。

半袖シャツにノータイ姿。鎧と兜を取られてしまった武士ようで、何だか気が抜けて見え、寂しい気もします。

会社によっては「×月×日からネクタイは禁止」という厳しいところもあるようで、「実はちょっと困っているんです・・・」というお客様もおられるのも事実です。

それは単に「何を着ていったらいいか分からない」とお困りなのではなく、仕事にスーツを着て行くことがお客様のリズムであり、そのリズムが壊されてしまうのが困るということなのです。

スーツには『ON(緊張)』と『OFF(リラックス)』を上手に切り替えてくれる、『スイッチ的な役割』があると思います。

スーツを着ることで気分を仕事モードに切り替え、家に帰りスーツを脱ぐことによってリラックスする。
緊張があるからリラックスできる。リラックスできるからまた緊張することができる。
『緊張』と『リラックス』の上手な切り替えです!

そのリズムを強制的に断ち切られると「困ってしまう」となってしまうのです。

確かに夏の大阪はクソ暑いです(笑)。「ネクタイなんかしてられるか!」という気持ちもよくわかります。

しかし行き過ぎると本来のスーツの意味がなくなってしまいそうに思います。楽な方へと進んでいくと、後戻り出来なくなってしまいますので、ちょっと不安に思ってしまいます。

『半袖シャツにノータイ姿』、これはどう見てもリラックスした姿にしか見えないのですが・・・。
いかがなものでしょか?

スーツには気持ちを奮い立たせてくれる力があると思います。それが誂えたスーツならなおさらです。

スーツに着替え、ネクタイのノットを”キュッ”と締めて気合いを入れる。気持ちを”オン”にするいいスイッチだと思います。

昨今の社会的状況もありますが、夏場も可能な限りがんばって(笑)スーツを着ませんか!
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2012年07月14日

2012お仕立説明 Part14『オーダースーツを”誂える”理由/きっかけ』

既製のスーツが主流となってしまった今の時代、『スーツを誂える』ことは、ある種特別な行為なのかも知れませんね。

市場にはあらゆるスーツが溢れ、デザインやサイズ、価格も豊富にあります。多くを求めないのなら既製のスーツで十分でしょう。

では何故、既製のスーツが主流の時代に、多くの方が『誂え』でスーツを作られるのでしょうか?

オーダースーツを初めて作ることを検討されている方には、ちょっと興味深いものですよね(笑)。

そこで実際に当店のお客様からお伺いした『オーダースーツを誂えた理由』をいくつかご紹介せていただきたいと思います。こんなご回答がありましたよ!

・より自分に合ったスーツを求めて
・着心地のいいスーツを着てみたい
・自分好みの生地で作りたい
・思い通りのスーツを作りたい
・既製と着比べてみたい
・自分を良く見せるため
・仕事に気合いを入れるため
・仕事をがんばった自分へのご褒美
・スーツの造詣を深めるため
・自分を磨くため
・再出発のきっかけに
などなど。

いかがですか?これ以外にも誂えた”理由/きっかけ”は色々あると思いますが、共通して言えるのは、皆様前向きなお気持ちで「誂えよう!」と思われているということです。

考えがマイナス指向の時は「スーツを作ろう!」なんて思わないですよね(笑)。

以前お客様が仰られた印象的な言葉を思い出しました。
「スーツを作る気が無くなったら、オレは仕事を辞める!」
お客様にとっては、それくらい仕事とスーツは密接な関係にあり、『誂える』という行為が、仕事に対する気力のバロメーターになっていたのだと思います。

こんな映画のワンシーンも思い出しました(笑)。
「そんなスーツじゃ、いい仕事はできない」と言って、部下をスーツを誂えに連れて行くシーンです。

何かを始めようとする時、身なりが重要になってくる場合があります!
よれよれのスーツじゃ、相手に失礼になることも、自分を売り込めないことだってあります。

『誂える』という言葉には、”自分の思いどおりに作る”という意味があります。でもだからと言って、その『思い』がはっきりしていないとだめかというと、そんなことは全然ないんですよ!

『誂える理由/きっかけ』を上述しましたが、「作ってみたい!」それだけでいいと思います。

余り難しく考えず、『作りたい時』が『作り時』・・・笑

是非オーダースーツにチャレンジしてみて下さい!!
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2012年07月12日

2012お仕立説明 Part13『リフォームについて』

今日は、お仕立上り後のサイズ調整等の『リフォーム』についてお話しさせていただきたいと思います。

『リフォーム』には大きく分けて3つの種類があります。

1つ目は、サイズを大きくしたり小さくしたり、または長くしたり短くしたりといったサイズの調整です。
体重の変化によるズボンのウエストの調整や、上衣の袖丈の調整と言ったお直しです。

2つ目は、いたんだ箇所の補修です。すり切れてしまった上衣の裏地や上衿の交換などです。

3つ目は、デザインの変更です。ズボンの裾口をダブルからシングルに変更したり、上衣のフロントカットを少し大きくするといった修正などです。

この中で一番多いお直しは、やはり1つ目のサイズ調整です。特に最近の傾向として、タイト目のスーツが主流になっている為、サイズを詰めるお直しが圧倒的に多くなっています。

ここでご注意していただきたいことがございます。
サイズの調整においてサイズアップの調整は、縫い代の関係から限界があります。箇所によってはほとんど縫い代を置かない部分もありますので、サイズアップ出来ないこともあります。また既製服では縫い代をあまり多く置いていませんので、調整巾が少なくなります。

逆にサイズダウンの調整ですが、一見詰める分には制限が無いように思えるのですが、実はそうではなく、サイズダウンの調整にも限界があります。そして限界を超えた過度な修正は着心地を悪くし、また全体のバランスを崩すことになります。

例えばズボンのウエスト調整や上衣のウエストの絞り加減の調整などは、やり過ぎると最初のパターンから大きく変わってしまい、着心地が悪くなったり他の部分に影響を与えたりします。

また全体のバランスを取りながらリフォームするということもとても重要になってきます。例えゆったりとしたデザインであっても、バランスを取ってデザインされていますので、それに手を加えていく場合、一部分だけを極端に修正すると全体のバランスが悪くなってしまいます。

どうしてもリフォームというと、何か簡単に出来そうなイメージがあるのですが(笑)、実はそうではなく、本当にパターンや縫製を熟知している職人でないと、正しいリフォームは出来ないのです!

「直してよかった!」と思っていただけるリフォームにする為には、しっかりと打ち合わせをする必要があります。ちょっと大袈裟な言い方ですが(笑)、医療に於けるインフォームド・コンセントのように、お客様と店側のコミュニケーションが大変重要になってきます。

お客様がスーツをリフォームしながら長く大切に着ていただける事は、テーラーにとってはとてもうれしい事です。しかしリフォームにはちょっとした難しさもありますので、信頼のおけるお店でご相談をされリフォームされる事をおすすめいたしましす。
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2012年07月10日

2012お仕立説明 Part12『採寸』

『パターンオーダー』『イージーオーダー』『フルオーダー』、システムが違うと採寸方法も違ってきます。今回はその違いと採寸時の注意点をご紹介させていただきます。

ただし前回の Part11同様、お店によってその方法が異なることがございます。ここでの説明は一般的な方法を取り上げていますのでその点ご了承いただきたいと思います。

採寸には大きく分けて、”メージャーを使った採寸(メジャー採寸)”と、”ゲージサンプルを使った採寸(ゲージ採寸)”とがあります。(またお店によってはメジャーだけでなく採寸専用の特殊な器具を用いて採寸するお店もあります。)

『パターンオーダー』や『イージーオーダー』ではメジャー採寸とゲージ採寸の両方を行うお店が多いです。その場合、まず最初にお客様のヌード寸を測らせていただき(ヌード寸と言っても服の上からですよ・・・笑)、次にサイズに合ったゲージサンプルをお客様に羽織っていただき、出来上がりのイメージをつかんでいただきながらサイズを決めていきます。

ゲージサンプルを使った採寸では、実際に商品を羽織るのでイメージがつかみ易く、オーダーに慣れていない方でも出来上がりのイメージがつかみ易く、大きな失敗を防げるメリットがあります!

これに対して『フルオーダー』ではメジャー採寸のみで行うのが一般的です。その理由の一つには「一から作るフルオーダーにおいてゲージサンプルを羽織っていただくのは失礼である」といった考え方もあるようです。

採寸の仕方(道具)や箇所はテーラーによって違いますが、『パターンオーダー』や『イージーオーダー』よりも細かく採寸されるのが普通です。

しかしいくら細い採寸といっても、メージャーだけの採寸はお客様には分かりずらく、どうしても受け身の採寸となってしまいます。

そこで『フルオーダー』の採寸時においても、可能ならばサイズサンプル(ゲージ服)や出来上がり見本を羽織らせてもらうのがいいと思います。言葉だけではなかなか上手く伝へにくいものもありますし、サイズ感だけでなく仕上がりのイメージなども同時に打合せできるので、お客様にとってもテーラーにとっても非常に有効な方法かと思います。

次に、採寸時の注意点を書かせていただきます。

『イージーオーダー』や『フルオーダー』の採寸時には、テーラーはお客様の寸法を測っているだけでなく、お客様の体型の特徴も見させていただいています。

採寸を始めますと、どうしても必要以上に体に力が入り(笑)、姿勢が普段より良くなって反っくり返った感じになってしまいます。テーラーは採寸時以外のリラックスされたお客様のご姿勢も確認していますが、より正確に採寸するためにもできるだけリラックスして普段のご姿勢で臨まれて下さい。(結構これは難しいのですが・・・汗)

またテーラーが採寸し易い服装で臨むのも大切なことです。気に入ったスーツを着て行くなどしていただければテーラーはとても助かります(笑)。そうしていただくと採寸もやりやすいですし、正確に採寸出来るのです。

採寸はテーラーからお客様への一方的なアプローチのように思われがちですが、実はそうではなく共同作業的な要素があるとても大切な行程なのです。
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2012年06月26日

2012お仕立説明 Part11『オーダー(注文)の流れ』

Part1では簡単に『オーダースーツのシステム概要』を説明させていただきましたが、ここではもう少し詳しく『オーダー(注文)の流れ』をご説明させていただきます。

オーダースーツの『オーダーの流れ』は、システムの違い(パターンオーダー、イージオーダー、フルオーダー)によって違ってきますが、同じパターンオーダーであってもお店によってその流れは違ってきたりします。

ここでは一般的な流れでご説明させていただいておりますので、必ずしもご説明させていただく内容が全てではございません。また説明とは流れが逆になったりする場合もあると思いますが、その点はご容赦お願いいたします。

ーー【パターンオーダー】ーー
『パターンオーダー』では、まず用意されたモデル見本の中から気に入ったデザインを選んでいきます。デザインが決まると次ぎに採寸をし、お体に合うサイズ見本が用意されますので試着し着用感を確かめていきます。そのサイズより大き目のサイズや小さ目のサイズなどを着比べ、一番しっくりくるベースとなるサイズを決めていきます。次に微調整を行います。上衣丈、袖丈、胴回りのサイズを調整出来るのが一般的です。
お客様は鏡を見ながら、「もう少し短く」とか「もっとタイトに」など、ご希望を伝えながらサイズを調整していきます。システムによって調整ができる箇所・調整幅が違いますので少し注意が必要です。
また仮に大幅な調整が可能であっても、あまり調整をやり過ぎるとせっかく気に入ったデザインからかけ離れたものになりかねませんのでスタッフの方と相談しながらするのが良いかと思います。

基本的に『パターンオーダー』はスタイル重視で、体型に細かくアジャストしていくという概念はありませんので、一般的には体型補正を入れることはできず、仮縫いを付けることはできません。(中には体型補正が可能なシステムもあるそうです)

ーー【イージオーダー】ーー
『イージオーダー』では『パターンオーダー』で出来なかった体型補正が可能となり、より体型にアジャストされたスーツを作ることができるようになります。

お客様は『パターンオーダー』と同様に、まずモデル見本の中から好きなデザインを選びます(現物のモデル見本が無い場合もあります)。その後、生地サンプル帳(現物の生地の場合もまります)から生地を選びます。一般的には『パターンオーダー』と比べると選べる生地の種類も増えます。現物の生地がある場合は肩から掛けてもらったりするとイメージがつかみ易いです。生地見本帳からの生地選びは慣れるまでは難しいので、どんどんスタッフの方に相談した方が良いと思います。また生地によりウエイト(生地1メートルの重さ。重いほど生地は分厚くなります)も異ってきますので、着用シーズン、お好みを店員に伝え、アドバイスをもらいながら選んでいくのがいいと思います。 

続いて採寸となります。『イージオーダー』では体型補正を入れることができますので、より着心地のいいスーツを作ることが可能です。採寸時はお客様のスーツの好みをしっかり伝えましょう(タイト感など)。サイズが違えば同じデザインでも見え方、着用感がかなりかわってきます。サイズ見本がある場合は、複数のサイズ見本を着せてもらって慎重にサイズを決めていきましょう。

サイズ調整ではどうしてもウエスト部の絞り加減などに目がいきがちですが、肩幅の調整にも目を配って下さい。大き目の肩幅は一見楽そうに感じますが、ジャストの肩幅の方が必ず着心地はいいものです。肩幅を体型にアジャストした服作りは、ゆとりのある大き目の服を作るより難しくなりますが、是非こだわっていただきたい部分です。
複数のサイズのゲージサンプルを利用して、「肩回りはこのサイズ感で」「お腹回りはこのサイズ感で」と個別に指図するのも上手なやり方です!!

『イージオーダー』ではディテールも色々選べたりオプションも用意されていますので、よりご自身のお好みにカスタマイズすることが可能になってきます。ただ、お店によって無料のもの、有料のもがバラバラですので確認しながらオーダーしていく方が賢明です。

ーー【フルオーダー】ーー
『フルオーダー』においては、いくつかのオーダーの仕方(流れ)があります。

1つには、お好みやイメージをお店に伝えて、お店にある程度任せて作ってもらうというやり方です。オーダースーツにまだ慣れていらっしゃらない方や、お店の『味』を引き出したい方にはおすすめですが、必要最低限のことは伝えておかないと出来上りとイメージとが違ってします場合がありますので注意が必要です。

その他には、イメージを絞り込んで、サイズ、デザインなどを細かく指定する方法です。このやり方はテーラーによっては全てを受けつけてもらえない場合もあります。『フルオーダー』と言っても「この部分は譲れない」というハウススタイルをお持ちのお店もありますのでお店との十分な打合せが必要です。

いづれにしましても、何らかの方法でテーラーにイメージを伝えなければいけません。例えばお気に入りのスーツを着ていくのも一つの方法ですし、画像や動画を用意したり、部分的にスケッチを描いていったりするのもいいと思います。イメージの伝え方はお客様のやり易い方法でいいと思うのですが、肝心なのはイメージが確実に伝わったかどうかなのです。
もしどうしてもイメージがお店に伝わらず不安に思ってしまうようでしたら、注文を取り消す勇気も必要です。

『イージオーダー』『フルオーダー』では、作りたいスーツのイメージがはっきりと決まってる場合、事前にお店のシステムを下調べして、思うスーツが作れそうか確かめておくのが良いと思います。
時間がある場合は一度お店に行き店員と話をするなどして感触を確かめるのがいいと思います。(参考Part7)

またいづれのオーダーでも、納期は必ず確認するようにしましょう。
着用日が決まっている場合、納期の設定には余裕を持たせましょう。着用日まで余裕あれば、もし不測の事態がおこっても何とか対応することが可能です。
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2012年06月07日

2012お仕立説明 Part10『当店のCustom Special(カスタム・スペシャル)仕立の概要・特徴』』

今回は、当店の『Custom Special(カスタム・スペシャル)』仕立について、前述の『カスタム』仕立と比較してご説明させていただきます。

『カスタム』仕立は、前述のように上衣・パンツともにマシンメイド(工場縫製)になりますが、『カスタム・スペシャル』は、上衣のみをハンドメイドで仕立て、『上衣はハンドメイド・パンツはマシンメイド』と上下の縫製ランクを変えて組み合わせたお仕立になります。

この『カスタム・スペシャル』仕立は、「パンツはマシンメイドでいいけど、上衣はしっかりハンドメイドで作りたい」というお客様のご要望から生まれた縫製システムです。

例えば夏場など、通常は『ロイヤル』(上下ともハンドメイド)でお仕立をされているお客様が、パンツが傷みやすい季節は、パンツの縫製をマシンメイドにして(コストを抑え)、その分2パンツにされるお客様もおられます。

また『カスタム・スペシャル』は、『カスタム』からのステップアップとして「ハンドメイドで一度作ってみたいけど、まずは上衣だけハンドメイドで試してみたい」、といったご要望にもお応えするシステムであります。

その他、お客様のご要望に対して十分にご満足していただける仕上がりにする為に、当店側から『カスタム・スペシャル』をお勧めさせていただくケースもございます。

以上、当店の『ス・ミズーラ』『カスタム』『カスタム・スペシャル』『ロイヤル』の4つの縫製システムをご説明させていただきました。

それぞれのシステムにはに特徴があり、お客様の目的に合わせてお作りいただけるように4種類ご用意させていただいております。

また各システムとも商品改善のために、縫製付属の変更やマスターパターンの微調整などを必要に応じて行っております。見た目、着心地が変わるものではございませんので予告無く変更することがございます。その点はどうぞご了承お願いいたします。

以上10回に分けまして『一般的なオーダースーツのシステムの概要』と『当店のシステムの概要』を書かせていただきました。

この後、オーダースーツの一般的な『オーダー時の流れ』『採寸』そして『リフォーム』についてまとめたものを、初めてオーダースーツを作ろうとお考えのお客様のご参考になるように書かせていただく予定です。

そしてその後、これで前編は最後となりますが、オーダースーツに対するちょっとしたコラムを書かせていただく予定です。

以上で前編を終わりとさせていただき、後編では『よくあるお客様からのご質問』にお答えする形で進めさせていただきます。

文字が多くて恐縮ですが(笑)よろしくお願いいたします!!
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2012年05月16日

2012お仕立説明 Part9『当店のCustom(カスタム)仕立の概要・特徴』

Part5〜8までは、『フルオーダー』に関する内容で書かせていただきました。

今回は、当店のオリジナル縫製仕様である『Custom(カスタム)』仕立についてご説明させていただきます。

先のブログでご説明させていただきました『ス・ミズーラ』は、『クラシコ』『ブリティッシュ』『ナポリ』の3つのモデルをご用意し、お好みのモデルをベースにお作りさせていただく縫製システムで、フルオーダーに近い体型補正・シルエット修正が可能なのが特徴でした。

そしてこの『カスタム』仕立は、その『ス・ミズーラ』ではカバーすることができないご要望にお答えすることができる、より自由度の高いオーダーシステムです。

ではどういった場合に『カスタム』仕立にさせていただくか、いくつかの例をご紹介させていただきましょう。

ーー【デザイン的に『ス・ミズーラ』では変更点が多くなる場合】ーー
『ス・ミズーラ』でオプション料金が発生するデザイン変更をいくつかされますと、型紙的にもお値段的にも『ス・ミズーラ』をベースにお作りいただくよりも、新たに型紙を作成した方がいいという場合がございます。こういった場合『カスタム』仕立でご対応させていただいております。

ーー【サイズ的に『ス・ミズーラ』の範囲に収まらない場合】ーー
『ス・ミズーラ』の対応寸法は、例えば胸回りでは、ヌード寸法で約86〜110センチがサイズ的に対応範囲となります。このサイズより小さい方、また大きい方の場合は、別途型紙の作成が必要となります。この場合『カスタム』仕立でご対応させていただいております。

ーー【デザイン見本から型紙作成する場合】ーー
デザイン見本として画像やスーツをお預かりし、型紙作成が必要となる場合、『カスタム』仕立でご対応させていただいております。
例えば、昨年の11月21日のブログでご紹介させていただきました『ノーフォークジャケット』(こちらからご覧いただけます)は『カスタム』仕立でお作りさせていただきました。

『カスタム』仕立は、よりフルオーダーの『ロイヤル』仕立に近い感覚でご注文いただけるシステムですが、縫製はマシンメイド(工場縫製)となり、フルオーダーの『ロイヤル』仕立とは異にするものです。

『カスタム』仕立は、デザイン、シルエットにおいては『ス・ミズーラ』よりも、よりフルオーダーに近い、自由度の高いオーダーシステムとなります。
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2012年05月10日

2012お仕立説明 Part8『フルオーダースーツを成功させる為の秘訣・お店の選び方』

今回は、『フルオーダー』で納得のいくスーツを作る為の秘訣を書かせていただきたいと思います。

それはズバリ、『お店選び』と『イメージの伝え方』だと思います。

まず『お店選び』ですが、これはスーツ作りの”入り口”にあたる非常に重要な要素です。これを間違ってしまうと思い描くスーツを作ることが難しくなります。たとえ出来たとしても大変苦労するこになりますので注意が必要です。

各テーラーには、そのお店ごとに特徴があり、得意とするものがあります。逆に言うと、苦手なもの出来ないものもあるということです。ですので事前にそのお店の特徴を探り、自分が望む事をやってもらえるかどうかを見極めることが重要になります!

では、どうすればそれを探り、”自分向けのテーラー”を見つける事ができるのでしょうか?。

それには実際にテーラーを訪ねた『下見』が一番だと思います。

今はホームページなどで簡単にその店の情報を得ることが出来ますが、実際にお店を覗いてみてお店の人と話をし、出来上がりのサンプルがあれば羽織らせてもらうのがいいと思います。

よく出来たホームページであってもその内容だけで判断するのはやめましょう。お店によってホームページの作り方に上手下手がありますので、イメージだけで判断するのはちょっと危険です!

実際にお店に行って、何点かサンプルを見せてもらったり羽織ったりすると、色々なことが分かってきます。

例えば、見せてもらったサンプルのデザインや雰囲気が全て同じだったなら、そのお店には『ハウススタイル』とうものがあり、それ以外のスタイルは作らないという場合があります。それはいい悪いではなくお店のスタンスですので変える事はできません。

逆に色々なデザインや雰囲気のサンプルがあったなら、そのお店には特に『ハウススタイル』とうものはなく、色々な服を作り慣れていて、お客様のご要望に応じた柔軟な対応が期待できます。

もし仕立てようとするスーツのデザインやイメージが決まっているのであれば、それに近い『ハウススタイル』を持つテーラーで作るのが一番です。『ハウススタイル』を持たないテーラーであっても、そのお店のサンプルの中に近いものがあればお店の技量にもよりますが大丈夫だと思います。

しかし、例えデザインやイメージがピッタリの服があっても、色々な意味でそのお店と合う合わないが出てきます(もしテーラーと長く付き合いたいのならこれは重要です)。

その辺りに探りを入れる、下見方法の一例をちょっと挙げてみますね!

もし可能であれば、オーダースーツを作ろうと考えているお店で、先にオーダーシャツなどを作ってみるなどして、何かを注文してみるというのも有効な下見方法です。

より具体的にお店と関わりを持つと、説明だけを聞きに行った時とは違い、今まで見えなかったものが見えてくることがあります。

例えばそのお店の”スタッフの対応”や”商品の価格帯”もよりはっきりわかると思います。「思っていたより、何でも柔軟に対応してくれるんだなぁ」とか、「この店なら相性が良さそうだ!」とか、その逆もありますよね。

少し投資になりますが、全く無駄になる投資でもないと思いますので、お勧めします!

そしてもう一つ大切なのが『イメージの伝え方』です。そこでまず大切なのが”思っている事は全てお店に伝えきる”ということです。

「あまり口を挟んだらテーラーに悪い」とか「こんな事を言ったら笑われるんじゃないか」なんて思っちゃいけません!言いたい事を全て伝えておかないと出来上がりに必ず不満点が出てきます。もし間違った方向に行きそうな場合はテーラーがストップをかけてくれるはずですので、お客様は言いたい放題でいいのです。

まだご自身のお好みのスタイルやサイズ感をつかんでいらっしゃらないお客様は”何を言っていいのかわからない”と思いますが、全てをお店任せにしたりすると失敗する可能性がありますので、せめて最低限のイメージだけは伝えなければいけません。

もし言葉で上手く伝えられそうにない時は、一番気に入っているスーツを着ていくのがいいと思います。
”百聞は一見にしかず”、テーラーもその方がよく理解出来ると思います。

色々書きましたが、要は、『何でも話せて、信頼の置けるテーラーを見つける』これに尽きると思います。
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2012年04月29日

2012お仕立説明 Part7『当店のフルオーダー・Royal(ロイヤル)仕立の概要』

今回は、当店の『フルオーダー』である ”Royal(ロイヤル)仕立” の概要をご説明させていただきます。

『フルオーダー』は、お客様のあらゆるご要望をお伺いすることが可能なお仕立ですが、しかしそう言ってしまいますと、逆に何だか難しそうでオーダースーツに慣れたかた向けのお仕立に聞こえてしまいそうですが、実は決してそうではありません。

例えば当店では、オーダースーツに初めて挑戦されるお客様でも安心してお作りいだだけるように、サンプル見本も各種ご用意し、出来上がりのイメージをつかんでいただき易いように心掛けています。

また、イメージだけをお伝えていただいて、細かい部分やバランスなどは”全てお任せ”ということも可能ですよ!

”ロイヤル仕立”には仮縫いがセットで付いておりますので、出来上がりまでに修正・確認していただけますので、その点でもご安心いただけます。

”ロイヤル仕立”の縫製は、一人の職人がハンドメイドで最初から最後まで仕立てる、いわゆる『丸縫い』と呼ばれる縫製です。テーラーによっては、複数の職人が分業で縫製する場合もございますが、当店は『丸縫い』方式でお仕立しております。

また、縫製職人は全員が当店専属の職人で、共通の認識、高い意識を持って縫製することを心掛けています。

そして、ハンドメイドの縫製において、最も重要な行程の一つに毛芯作りがございます。

当店の『ロイヤル』仕立におきましては、毛芯は全て、職人が1着1着お客様のお体に合わせて一からお作りしております。また、毛芯の材料におきましては、台芯、肩バス、ダキ芯、全て本バスを用いた高級素材を使用しております。

出来上がってしますと目に見えない箇所ではございますが、何年も着ていただく、着心地のいいスーツを作る上で、毛芯作りの材料・行程は決して手を抜くことが出来ないところです!

『スタイリング』におきましては、特にハウスモデルというものはございませんが、その時々で時流にあった『スタイリング』をご提案させていただいております。不変的と思われがちの『フルオーダー』のスタイリング、パターンですが、当店では日々”進化”を求めて開発し続けています。

当店の”ロイヤル仕立”の『お仕立上がり価格』は、生地代、縫製工賃込みで、約15万円がスタート価格(国産生地)となっております。

納期は繁忙期を除き、約1ヶ月でお仕立が可能です。

敷居が高く、難しそうに感じる『フルオーダー』ですが、当店は出来るだけ敷居を低くし、分かり易くお作りいただけるように取り組んでおります。
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2012年04月18日

2012お仕立説明 Part6『当店のフルオーダー・Royal(ロイヤル)仕立の 出来上がりまでの流れ』

Part5の最後に、『フルオーダー』におけるお客様のイメージと出来上がりの差異に触れ、それを無くしていくことがテーラーの重要な課題の一つだ、と書かせていただきました。

そして、その『お客様のイメージと出来上がりの差異』は決して全くかけ離れたものではなく、ごく僅かなものなのでご安心下さい、とも書かせていただきました。

しかし目指すところはパーフェクトなスーツ!!それが出来るのもまた『フルオーダー』の良さなのです!!

では、どのようなことに注意して進めていけばパーフェクトなスーツに近づけていくことができるのでしょうか?

今回は当店の『フルオーダー』の進め方を例に上げ、その流れをご説明させていただきます。(各テーラーにより進め方は違うと思いますが、目指すとことは同じだと思います)

スーツ作りにおいては、まず店頭スタッフ(営業)が中心となってお客様のご要望をお伺いいたします。そして店側からもご質問をさせていただき、お客様のイメージとズレが出ないようにしっかりお話を伺いします。

お客様のご要望を一通りお伺いした時点で、まず生地をご提案させていただきます。もしご希望に沿う生地がなければ、お時間をいただいて再度ご提案させていただきます。

次にデザイン、ディテールを詳しくお伺いし、生地との相性などを考えながら具体的に詰めていきます。

一通り決まりましたら次は採寸ですが、その前にパターンナー(裁断士)にも今お客様からお伺いした内容を説明し、必要に応じて裁断士からも確認させていただきます。そしてお客様、営業、裁断士が共通の認識を持ったところで採寸にかからせていただきます。(ここまでは当店ス・ミズーラと同じ流れです)

次に裁断士は仮縫いに向けて生地の裁断を行います。必要に応じてハサミを入れる前に、営業も生地に描かれた裁断線が、お客様のご要望とズレがないか確認いたします。その際、営業が直接ラインを書き示し、裁断士に修正を指図することもあります。(一般的には、営業が裁断線を修正することはなのですが、口伝えでは微妙な修正が難しいので具体的に書き示します)

次に仮縫いです。仮縫いは裁断士が主体となって行います。営業はお客様のご要望が正確に仮縫いに反映されているかどうか細かくチェックしていきます。裁断士は技術的な部分の確認を、営業はデザインや全体のバランスを確認をしていきます。仮縫後、再度営業と裁断士で打合せを行います。そして間違いのないように細心の注意を払って裁断士は最終補正を行います。

そしていよいよ縫製職人による本縫いです。
(ここからス・ミズーラと進め方が変わってきます!)

裁断が終わり、後は縫製職人に任せておけばもう安心!!いえいえ、ここからも重要なのですよ!!
「きっちり裁断されているのだから、誰がどう縫っても出来上がりは同じじゃないのですか?」と思われるかもしれませんね!

しかし同じ裁断でも職人が違えば出来上がってくるスーツの雰囲気が違ってくるものなのです!
それに、縫製職人はこれまでのお客様との打合せの内容を知りませんので、きっちり説明する必要があります。

縫製上の注意事項は、裁断士の方から縫製職人に説明いたしますが、技術的な説明と同時に、お客様のご体型の特徴やお好みも合わせて伝えます。さらに、営業からも直接職人にお客様のご意向を伝えます。時には職人にスケッチや画像を渡して説明したり、場合によっては動画を見せて説明する場合もございます。
『本縫い』はただ生地を縫い合わせていけばいいというものではなく、イメージに沿ってスーツを立体的に仕上げていく作業なのです。

縫製の途中でも職人と確認を取りながら縫製を進めていきます。職場に行き細かな修正事項を伝え、やり直してもらうこともあるんですよ。

そしていよいよ出来上がったスーツをお客様にご試着していただきます。私どもが最も緊張する瞬間です(笑)。もしここで修正事項があれが、手直しをさせていただいてご納品となります。

以上が当店フルオーダーのお承りからご納品までの大まかな流れです。

『ハンドメイド』による『フルオーダー』は、非常に微妙な手加減の世界ですので、何度も確認し、コミュニケーションをとりながら進めさせていただいております。

しかしこれは、縫製職人が一人で最後まで責任を持って縫い上げる、いわゆる『丸縫い』ゆえにできることなのです。

次回は『当店のフルオーダー・Royal(ロイヤル)仕立の概要』についてご説明させていただきます。
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2012年04月08日

2012お仕立説明 Part5『フルオーダーの難しさ』

時間と費用をかけて作る『フルオーダー』。
当然出来上がりの期待度は高くなると思います。
しかし実際にはなかなか思うようなスーツが出来ないことも・・・
そこには『フルオーダー』の自由さ故の難しさもあるのです。

オーダースーツを作るなら一度は『フルオーダー』に挑戦してみたいものです。しかし「フルオーダーは難しい」というお客様の声を耳にするのも確かです。実はお客様が「難しい!」と感じるその原因は、『フルオーダー』特有のシステムの中にあるのです・・・

しかしご安心下さい!! ここで言う『難しさ』とは、『全てを可能な限り思い通りに作る難しさ』という意味で、”イメージと全く違うものが出来上がってくる”ということではございません(笑)。また「フルオーダーは難しいぞ!」と煽るものでもございません!!知っていれば作るときの”お守り代わりになります”くらいの感じで読んでいただければと思います。

【フルオーダーの難しさ】
『フルオーダー』に限らず、オーダースーツをお作りする上で、最も重要でかつ難しいのが、『お客様の思い描いたスーツをイメージ通りに仕立て上げる』ことだと思います。

時間と費用をかけて作るオーダースーツですから、お客様の期待度は当然高くなります。しかし実際にオーダースーツを体験された皆様はいかがだったでしょうか?出来上がりに十分満足されましたか?100%満足は無理だとしても「また作りたい!」と思える納得出来るスーツが出来上がってきましたか?

実は、『パターン』『イージー』『フル』オーダーの中で、最も自由度が高く思い通りに作れる『フルオーダー』においても、イメージ通りに出来上がらないこともあるのです。

「それはおかしいじゃないか!」とお客様の困惑した声が聞こえてきそうですね。しかし『フルオーダー』だから難しいという部分が存在するのもまた事実なのです。

決して「フルオーダーは難しいものだ!」と強迫観念を植え付けているのではありませんよ(笑)。フルオーダーのそう言った面もご理解いただいていると、事前に対処することもでき、より良い物をお作りいただけるのではないかと言う思いから書かせていただいています。

例えば、”イメージ通り”という点だけをとれば、思い描く理想のイメージの服を出来上がった形(既製服)で見つけることが、一番納得のいく”イメージ通り”の服ではないでしょうか。

しかし実際には、時間をかけてイメージ通りの服を探しきることが難しいこともあり、「少々お金がかかってもオーダーで作ればそれに近いものが出来るだろう」と思って作られるのが、オーダースーツで作られる一つ理由だと思います。

さらに「どうせ作るならフルオーダーの方がもっといいスーツが出来上がるに違いない」という思いから『フルオーダー』で作られる方も多いと思います。

しかし出来上がって見ると「どこかイメージが違う・・・」「ちゃんと伝えたはずなのに・・・」とうことがあります。

では何故『フルオーダー』においてに、イメージ通りに出来上がらないといったことになるのでしょうか?

それは一言で言うとスーツ作りにおいて『技術力ある』ということと、『感性がある』ということは別物ということなのです。

お客様の思い描くスーツをテーラーが理解し、形に仕上げていく作業は、実は『感性』によるものが大きいのです。もちろん『技術力』は絶対に必要な条件ですが、それ以外にお客様のお考えを的確に捉える『感性』が必要となってきます。

フルオーダーでイメージ通りに出来上がらないのは、そのテーラーには『技術力』はあるけれども、お客様の思いを十分に汲み取ることができなかった場合が多いのです。

パターンオーダーやイージーオーダーなどの工場生産の場合では、もともとご注文の段階で制限がありますので、逆にそこから大きくイメージが外れるということも少なくなります。また一旦縫製にかかると縫製ラインでは機械的に流れだし、良くも悪しきも縫い手の意思が入りません。それがライン生産の特徴です。しかし『フルオーダー』の場合自由な部分が多いだけに、そこに携わる人間の感性が微妙に影響をしてきます。

現在の分業化されているテーラーの『フルオーダー』は、スーツが出来上がるまでに複数の人間が携わります。(今では最初から最後まで一人でこなすテーラーは少ないです)

お客様から注文を聞く営業。営業からスーツの仕様を聞いてパターンを作成するパターンナー(裁断士)。そして裁断補正されたものを縫い上げる縫製職人。一般的な人員構成と大まかな仕事の流れです。

まず営業がお客様の思いを的確にとらえ、パターンナーにしっかりお客様のご要望を説明し、パターンナーが的確にパターンを作成する、そして最後は縫製職人がお客様のイメージ通りに縫い上げていく。これは理想的流れです。

しかし先ほども書きましたように、”ゼロ”から作り上げ、自由がきき、全てが手作業で進められる『フルオーダー』では作り手側の思いが入ることもあり、お客様のイメージから僅かながらズレてします場合もあるのです。

そしてそのズレをいかに少なくし、お客様の思い描くスーツにどれだけ近づけていくか、これが『フルオーダー』におけるテーラーの重要な課題の一つなのです。

テーラーには技術力があり、お客様の様々なご要望を形にしていくことが出来きます。そのために大切なのは、お客様とお店とがいかにイメージを共有するかということなのです。

次回に続く。
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2012年03月19日

2012お仕立説明 Part4『当店のSu Misura(ス・ミズーラ)の製品特徴・主な仕様』パンツ編

『ス・ミズーラ』のパンツの仕様をご説明させていただきます。

『ス・ミズーラ』のパンツは標準で、バックスリット、フラシループ、シングルのフロント持出し、ベルトステイループをお選びいただくことが可能です。これらにはオプション料金はかかりません。

ボタンも上着と同じく本水牛、ナット、貝ボタンの中から無料でお選びいただけます。また腰裏もお選びいただくことが出来ます。

またパンツの履き心地を大きく左右する腰裏の作りにもこだわっています。腰裏を表生地や体の動きに馴染ませる為に、プリーツを多く取る仕様にし履き心地の向上を目指しています。

『ス・ミズーラ』のパンツでは、この他にもビスポークテーラーならではの下記の拘りのあるディテールをお選びいただけます。(上記の標準モデルに有料で追加できます)

・パンチェリーナ
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・2重持ち出し
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・フライフロント
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パンチェリーナ、2重持ち出し、フライフロントは、お客様のお好みに合わせて個別でお選びいただけます。

上記以外のオプション仕様として、ベルトレスサイドアジャスター・尾錠仕様等もご注文いただけます。

基本のパンツデザインは、ノータック、ワンタック(イン・アウト)、ツータック(イン・アウト)、ポケットデザイン等もお客様のお好みにより選んでいただけます。

上記のパンツのディテールの詳細は、パンツカテゴリー内の2009年3月23日のブログ(こちらからご覧いただけます)でご説明させていただいておりますので、そちらもご覧いただけると更にわかりやすいと思いますので是非ご参考にされて下さい。

当店『ス・ミズーラ』は、全てのモデルにおいて『仮縫い』をお付けすることが可能です。仮縫いの料金は2P(上下)で¥10,500(税込)、3P(上下+ベスト)で¥14,700(税込)となっております。
(お仮縫いは、お客様がご自身の後ろ姿をご確認されやすい大きな三面鏡がある当店の自慢の試着室で行います)

『ス・ミズーラ』の裁断は、当店の職人が店内で全て手裁断で行い、お客様のお身体に合わせたビスポークテーラーならではの細やかな体型補正を施し、裁断後国内ファクトリー縫製にてお仕立てさせていただきます。

以上のように当店『ス・ミズーラ』は、型紙の自社開発・副資材・縫製仕様全てに拘り、多くのディテールを標準仕様としながらも、更に老舗ビスポークテーラーならではの拘りの追加オプションをお客様のお好みで選んでいただける『フルオーダー』に近い自由度を持つオーダーシステムです。

今回のお仕立説明ではスーツを中心にご説明させていただきましたが、もちろん”パンツ単品”でもご注文いただけます。
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2012年03月11日

2012お仕立説明 Part3『当店のSu Misura(ス・ミズーラ)の製品特徴・主な仕様』上衣編

前回Part2の最後で、当店の『ス・ミズーラ』を「スタイリングを重視し、仮縫いを付けることも出来る、『フルオーダー』に近い感覚の『イージーオーダー』と言うことができます。」とご説明させていただきました。

本来一般的な『イージーオーダー』では仮縫いを付ける事が出来ませんので、”仮縫いを 付けることが出来る『イージーオーダー』”と言うのも実は少し変な話なのですが、その方が当店のシステムをイメージしやすいと思い、あえて『イージーオーダー』とそう説明させていただきました。

それでは、当店の『ス・ミズーラ』の”製品特徴”と”主な仕様”を具体的にご説明をさせていただきます。(比較検討の参考にされてください)

当店の『ス・ミズーラ』には、『クラシコ』『ブリティッシュ』『ナポリ』の3つモデルをご用意しております。

『クラシコモデル』は、イタリアンクラシックをベースに時代にマッチしたクセのないオーソドックスなスタイリングが特徴で、ビジネスシーンだけでなく、あらゆるシーンでお召しいただける汎用性の高いモデルです。デザインもシンプルでクセがありませんので、スーツだけでなくジャケット単品をオーダーする際のベースデザインとしてもお使いいただけます。
また軽い着心地と見た目の柔らかさににもこだわり、軽量で張りのある芯地を用い、衿の返りはロール感を出した柔らかい仕上げになっています。
基本デザインとして『2B×1』『3B×1』『6B×2』 の3つのデザインをお用意しています。

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『ブリティッシュモデル』は、オーセンティックな英国スタイルをベースにウエストの絞りを強調し、肩のシルエットをややコンケーブに、そして袖付けをロープドショルダーにした英国らしいアクセントのあるデザインに仕上げています。『クラシコモデル』とパターン上で最も違う大きな特徴的は、細腹を用いず、前身(背部から前)を一枚でパターンメイクしているという点です。そして『ブリティッシュモデル』の特徴である”豊かな胸のイングリッシュドレープ”を作り上げるため、ブリティッシュモデル専用に設計された”本バス毛芯”を使用しています。構築的なシルエット・デザイン、そして美しい胸のドレープラインが『ブリティッシュモデル』の大きな特徴です。
基本デザインとして 『2B×1』『3B×1』『6B×2』の3つのデザインをお用意しています。

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『ナポリモデル』の特徴は肩回りにあります。着心地を軽くするために、肩パットを抜き、袖付けは『マニカカミーチャ(シャツ袖)+雨降り』仕様にしています。フロントカットは大きくラウンドさせ、またステッチを多用したデザインになっていますので、着心地・デザイン共に通常のスーツ仕立のジャケットだけでなく、アンコン仕立てのジャケットなどとも相性がいいモデルです。
基本デザインとして『2B×1』『3B×1』の2つのデザインをご用意しております。

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(3B×1はシングル3釦の中1つ掛け、2B×1はシングル2釦の1つ掛け、6B×2はダブル6釦の2つ掛けのことです)

『ス・ミズーラ』のスーツ上下出来上がり価格は、生地代と仕立代を含んだ税込み価格で、国産生地で¥68,750〜 海外有名生地で¥78,250〜となっております。

出来上がり価格には、上着の場合下記がオプションが追加料金無しで全て標準装備されています。

【本バス毛芯】・・・本バスを使用した本格毛芯仕様です(画像は一例です。生地・仕様等により仕様部材は最適な物をセレクトします)(画像左)
【天然素材釦】(本水牛、ナット、貝)・・・プラスチックボタンは当店では使っておりません(画像右)
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【本切羽】・・・袖口の開き見せが可能です(画像左)
【ステッチ】・・・AMFステッチです。巾や間隔を変えることができます(画像右)
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【見返し台場】・・・当店オリジナルの形をしています(画像左)
【汗止め】・・・脇内側に半月形をした裏地の汗止めです(画像右)
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【見返しステッチ】・・・見返しにもステッチが入ります(画像左)
【上衿ひげ】・・・上衿裏側に表生地を返した仕様です(画像右)
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【バルカ】・・・舟型をした胸ポケットです(クラシコ、ナポリ標準仕様)(画像左)
【裏地もお選びいただけます】(画像は一部です。この他にも多数色柄をご用意しています)(画像右)
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デザイン変更におきましては、衿巾変更、ゴージライン上下移動、釦位置調整、ポケット位置上下移動などに特に制限はございません。熟練カッターがバランスを見ながらお客様のご要望ご体型に則した調整をいたします。

上着のポケットのデザインは、両玉縁フラップ無し、フラップ有り、スラントケット、パッチポケット等オプション料金の追加なしでお好みでお選びいただけます。またスラントの細かい角度指定やパッチポケットの形、袖口のフレーの加減なども仮縫い時に無料で調整を行わさせていただいております。

上衣のフロントカットの変更は、『標準カット』『大丸(おおまる)カット』など当店がご用意いたしましたデザインの中からは無料で変更が可能です。それ以外のフロントカットのデザイン変更、上襟のゴージラインの角度変更は『ス・ミズーラ』では型紙設計の都合上、オプション料金をいただいて対応させていただいております。
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2012年03月04日

2012お仕立説明 Part2『当店のSu Misura(ス・ミズーラ)の概要』

お店ごとに違うオーダーシステム。
価格も、オーダーの自由度も・・・
自分が求めるシステムを見つけるには・・・

今回より3回に分けて、当店のス・ミズーラの『概要』・『製品特徴』・『主な仕様』をご説明させていただきます。一つのオーダーシステムとして、比較検討などをされる時のご参考にされて下さい。

【当店のSu Misura(ス・ミズーラ)の概要】
当店の『ス・ミズーラ』は、前回ご説明させていただきました、一般的な『パ ターンオーダー』『イージーオーダー』『フルオーダー』の要素を全て持ち合わせたシステムのため、単純に「・・・オーダーです」と言い切れない当店独自のオーダーシステムです。

当店の『ス・ミズーラ』のまず一つ目の特徴は”『仮縫い』をお付けすることが出 来る”という点です。一般的な『イージーオーダー』では『仮縫い』を付けることは出来ませんので、この点では前回お話した一般的な『フルオーダー』に近い特徴を取り入れたオーダーシステムと言えます。

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そしてもう一つの大きな特徴は、『裁断』は職人が手作業で行っているという点です。通常多くの工場縫製ではコンピューターによる裁断(CAD・CAM)が行われます。その場合、工場に送られてきた仕様書にもとづいてコンピューターに数値が入力され、CADが型紙を作成し、CAMが生地を裁断するという仕組みです。このコンピューター・機械が行う工程を、職人の手に委ねたのが当店の『ス・ミズーラ』大きな特徴です。

生地の『裁断』は、注文時にお客様のお体を採寸させていただいた当店のベテランカッター(裁断士)が、店内のカッティングルーム(裁断室)でマスターパターンからの補正・生地の裁断まで全て手作業で行います。

この手作業が、一律的なCAD・CAMのコンピューター裁断では出せないカッティングが可能となるのです。採寸時やゲージ試着時にはカッターがお客様のご体型の特徴を見させて頂き、スタイリングのご希望をしっかり把握した上で裁断を行ないます。またカッターは、ご注文いただいた生地の特性等も考慮し、長年の経験から導き出した適切なカッティングを行ないます。この手作業により、体型やスタイリングにマッチしたバランスの良い繊細な線出しも可能となるのです。

以上の点は一般的な『フルオー ダー』に近いオーダーシステムと言えます。(もちろん裁断だけでなく、仕付け糸による”仮縫いの組み上げ”、”仮縫い後の修正補正”も当店の職人が全て店内で行ています)

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また、当店の『ス・ミズーラ』は国内トップレベルの縫製工場を使った、スタイリングを重視したオーダーシステムではありますが、工場所有の既存の型紙(多くのお店が使う同じ型紙)は使わず、老舗ビスポークテーラーならではの”フルオーダーの型紙作りのノウハウ”が生かされた、工場縫製に最適化されたマスターパターンを自社開発しています。また毛芯等の副資材にもこだわっており、トータルでより『フルオーダー』に近いオーダーシステムを目指しています。

一方、スタイル重視のマスターパターンをベースにしている辺りは、前回ご説明した一般的な『パターンオーダー』の考え方と方向性が近いと言うことも出来ます。

現在ス・ミズーラの基本スタイルには、『クラシコモデル』、『ブリティッシュモデル』、『ナポリモデル』の3種類のモデルをご用意して います。各モデルには、そのスタイリングを特徴づける独自のディテール・デザインが施され、3タイプ全く違った雰囲気のモデルをご用意しお客様にご提案させていただいておりますが、各モデル間のディテールは相互流用も可能となっておりその点もお客様それぞれのお好みをよりオーダーに反映しやすい当店独自の『ス・ミズーラ』の特徴の一つになっています。
各モデルのベースデザインをお客様のお好みや体型に合わせてカスタマイズすることも可能です。(簡単な例を上げますと裾のフロントカット、ラペル巾、ゴージラインの上げ下げなども無料で変更できます)

さらに、職人が店内で生地の裁断行うことにより、各種ディテールのサイズ・仕様もミリ単位で細かくご要望にお応えすることができ、カスタマイズ可能な点が多いのも当店『ス・ミズーラ』の特徴です(簡単な一例を上げますと内ポケットの深さやサイズ等も無料でご希望によりカスタマイズできます)

通常一般的な『イージーオーダー』では、マスターパターンの基本シルエットの変更はできませんが、当店のスミズーラでは、例えば、アームホール回りの”鎌深”などもお客様のお好みや体型に合わせて変えることが可能です。”鎌深”の調整などは、スタッフとカッターがゲージ試着時や仮縫い時にご体型やご希望等を確認してじっくりさせていただきます。経験豊富なカッターの職人ならではの目と技術で、繊細な調整を行っていきます(当店で初めてご注文のお客様はこの部分に結構驚かれる方がおられます・・笑)

『ス・ミズーラ』の場合一部マスターパターンの修正箇所には有料のものもございますが、それらを含めますと『フルオーダー』にかなり近いぐらいの大幅なお客様なりの カスタマイズも可能となります

従いまして、当店の『ス・ミズーラ』の特徴のポイントをまとめますと、
・工場での縫製を前提とした自社開発の3種類のマスターパターンを用いる”スタイル重視のオーダーである。
・職人であるベテランカッター自らが、採寸、生地の裁断、補正までを店内で行い、さらに仮縫いをお付けすることも出来る。
・補正項目、型紙修正においては、『フル オーダー』に非常に近い感覚で可能な、工場縫製の『イージーオーダー』である。
と言うことができると思います。
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2012年02月22日

2012お仕立説明 Part1『一般的なオーダースーツのシステム概要』

『パターン』『イージー』『フル』・・・
仕立の説明に必ず付いてくるこの言葉。
一体どう違うのでしょうか?
システムを理解し、安心してオーダーしていただけるよう、その違いと注意事項をご説明させていただきます。

【一般的なオーダースーツのシステム概要】
細かなお仕立説明をさせていただ前に、どうしても先にご説明させていただかなければいけないことがございます。

それは、分かったようで分かりにくい、オーダーシステムの種別である『パターン』『イージー』『フル』の3つの区分けについてです。

日頃、お仕立ての説明をさせていただいていると、お客様からよく「これはイージーオーダーですか?」「フルオーダーですか?」とお尋ねを受けます。しかしご説明をさせていただいている最中に、「あれっ、どうも説明が上手く伝わらないなぁ」と思う事がしばしばあります。お客様が考える『イージーオーダー』や『フルオーダー』の内容と、店側との間にズレがあり話が噛み合ないのです。

”商品の特徴や仕様を説明する言葉”に明確な定義がある場合は、誰から説明を受けてもその内容は同じで、問題は無いのですが、オーダースーツの場合、困った事に、仕立ての説明に必ずと言っていいほど使われる『パターンオーダー』『イージーオーダー』『フルオーダー』という言葉の定義が、お店によって少しづつ違っているのです。

例えば電化製品などでは、新しい機能や仕様を説明する言葉は基本的にどのメーカーも同じで、カタログや店頭の説明で容易に比較検討することが出来ます。

ところが、オーダースーツの説明においては、仕立てを説明する言葉に明確な定義が無く、また曖昧だったりすることがあり、お客様が考える仕立の内容と、店側が定義している仕立の内容とにズレがある場合があるのです。これは本当に困った問題なのですが、実際、作り始めて「あれっ、何か話が違うぞ?」と後から気づくケースもあります。

それではその3つの区分けである、『パターンオーダー』『イージーオーダー』『フルオーダー』の一般的な定義をご説明させていただきます。

『パターンオーダー』:一番既製品に近いオーダーで、出来上がったサンプルを羽織り、袖丈や着丈、お腹回りのサイズ調整を行います。体型補正範囲や箇所にもある程度の制約があるスタイル重視のオーダーです。既製服をサイズ調整して買う感覚に近いですが、着丈を調整した場合など、フロント釦やポケット位置の調整も同時に行いますので、既製服のサイズ調整とは異なります。

『イージーオーダー』:パターンオーダーより修正箇所や体型補正の許容範囲が広く、お客様のご要望に対する自由度が広がるのが一般的ですが、お店のシステムによって出来る範囲・項目が違いますので、A店ではできたのにB店ではできない、といったことがおこります。ただし『仮縫い』をすることが出来ないのが一般的です。

『フルオーダー』:『フル』ですから、テーラード的カテゴリーのものなら殆どの物が作れ、デザイン・シルエット・ディテールなど、全てお客様のご要望をお聞きしてお作りすることが出来るオーダーシステムを一般的に『フルオーダー』と表現されています。『フルオーダー』は『ハンドメイド』(職人による縫製仕立)との組み合わせが一般的で、マシンメイドの『フルオーダー』というのあまり多くないと思います。もしマシンメイドで『フルオーダー』というのであれば、どの部分を指して『フル』なのかをしっかり確かめる必要があります。

以上、3つのシステムの大まかな説明をさせていただきましたが、この中で『イージーオーダー』は、お店ごとに内容の巾があり要注意です。『フルオーダー』に近い『イージーオーダー』(比較的自由度の高いオーダーシステム)なら特に問題はないのですが、『パターンオーダー』寄りの『イージーオーダー』は、できること、できないことがはっきりしていますので、注文する前にしっかり説明を聞いてオーダーする必要があります。

これ以外にも、縫製工場に全てを任せることなくお店が主体となって独自のオーダーシステムを構築しているテーラーもあります。このような場合は上記の範疇にピタッと収まらないので、お店でその特徴をしっかり聞きましょう!

最後に『フルオーダー』の縫製仕様において注意しなければいけないことがありますので、その一例を挙げさせていただきます。お店の曖昧な表現によってお客様に誤解を与えてしまうケースです。

先ほど『フルオーダー』は『ハンドメイド』との組み合わせが一般的と書きましたが、お店によっては『フルハンドメイド』という言葉を使う場合もあります。一般のお客様が『フルハンドメイド』という言葉からイメージされるのは文字通り『フルハンド縫い=総手縫い』と考えられるお客様もおられるでしょう。そうすると一切ミシンを使わない縫製ということになります。

しかし実際は『ミシンを一切使わない総手縫い』をこなす縫製職人はかなり希少な存在で、注文を受けるテーラーはかなり少ないのではと思います。「総手縫いのスーツを作りたくて注文したのにそうじゃなかった」というケースもあるやも知れませんので、もし本当に『フルハンドメイドの総手縫い』の縫製をご希望であれば、ご注文されるテーラーに完全に手縫いだけなのかを慎重に聞いた方がいいと思います。

ちなみに、『フルハンドメイドの総手縫い』の縫製は時間もかかり縫製の仕立代は一般的にかなり高額になりますので、生地代を含んだ仕立て上がり価格も当然高額になります。

一般的には『フルオーダー』は『ハンドメイド』であっても『フルハンドメイドの総手縫い』ではないとお考えいただいた方が一般的かと思います。全くミシンを使わない手針だけの縫製は、現代においては希少で特別な縫製になってしまいました。

ちなみに当店が通常ご注文をお受けしている『ロイヤル縫製』は、フルオーダー職人が1着を最初から最後まで一人で縫い上げる『丸縫い』ですが『総手縫い』ではありません。ベテランの縫製職人が手縫いと昔ながらの足踏みミシンと重たいアイロン等でクセ取りを行いながらお仕立てしている”ハンドメイドのフルオーダー”です。

以上、一般的な『パターンオーダー』『イージーオーダー』『フルオーダー』の大まかなシステムの概要をご説明させていただきました。
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2012年02月18日

2012お仕立て説明『序章』

以前のブログで当店のクラス別お仕立説明をさせていただきましたが、その後お客様から『お仕立てに関する様々なご質問』をいただきました。

寄せられたご質問の内容は大きく『当店のお仕立てに関するもの』と、『世間一般のオーダーシステムに関するもの』とに分かれていました。

ご質問をされたお客様の思いは、「各店舗のオーダーシステムをきっちりと理解し、納得した上で、どのテーラーで作るかを決めていきたい」というお気持ちなのですが、お店を回り各ショップの説明を聞くにつれ、かえって混乱されているご様子でした。

各お店で『パターン』『イージー』『フル』と名の付いた(またはお店が独自で名付けた)オーダーのシステムの説明を受け、ご自身で、お店間の価格の開きや、オーダーの自由度を比較検討するに従い、一体何が適正で、どれを選べばいいのかが分からなくなってしまい、強いてはオーダー不振になってしまったお客様もおられました。(これは業界にとっても問題です!)

この現状を目の当たりにし、当店のお仕立説明をよりわかり易く説明しなければいけないと感じたのと同時に、一般的なオーダーシステムのご説明もさせていただかなければ、本当の意味でお客様に納得していただける説明にはならないと強く感じました。

オーダースーツのシステムはそんなに難しいものではないのですが、各お店が自社のシステムを思い思いに説明している為、お客様の混乱を招いているようです。

そこで、今回の『2012お仕立説明』のシリーズでは、単に当店の仕立て説明だけでなく、様々な切り口でオーダースーツにつてご説明させていただき、お客様が安心・納得してオーダースーツをお作りいただけ内容にしていこうと思っております。

シリーズを前編・後編に分け、前編では『お仕立説明』を中心に、『お店の選び方』や『オーダーの流れ』、また出来上がったスーツの『リフォームについて』などの内容を盛り込んで、より深くオーダースーツをご理解していただける内容にさせていただいています。

後編ではオーダースーツ全般に関する『お客様からのよくあるご質問』にお答えさせていただこうと思っております。

シリーズの連載に関しましては、通常のブログの間に挟み込む形で載させていただきます。そのため短期間で全てをご紹介することができず、途切れ途切れの掲載になってしまいますが、コンテンツの『クラス別お仕立説明』をご覧いただければ、続けてご覧いただけるように整理いたしますので、宜しくお願いいたします。

また、書かせていただく内容はまだ全て決まっておらず、書きながら同時進行で考えていこうと思っておりますので、途中、お客様の方から「こんなことを聞いてみたい」「この部分の説明がわかりにくい」等のご意見がございましたら、『info@t-katsura.com』までいただければ、その都度訂正加筆、ご質問の内容を盛り込んで載させていただこうと思っております。

当店でオーダースーツをお考えのお客様、他店でお考えのお客様を問わず、皆様がご安心してオーダースーツをお作つくりいただける一助になれば幸いでございます。
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2008年08月28日

ブリティッシュモデルで作ってみました!!

今日は生地入荷のご紹介を一休みして、私がブリティッシュモデルで作りましたスーツをご紹介させていただきたいと思います。

自分のスーツは職人に縫ってもらったりファクトリー縫製にしたりと色々なのですが、今回はス・ミズーラのブリティッシュモデルで作ってみました。

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全体のシルエットはいつもより少しゆとりを持たせました。
いつもは上衣の釦を止めると少し引けジワが出る程度まで絞るのですが、今回はそこまで絞らずすんなりと釦が止められるくらいの余裕を持たせました。とは言ってもブリティッシュモデルはもともとウエスト部分が絞れたデザインになっていますので、見た目にはスッキリ絞れて見えます。

そんなに極端なコンケーブショルダーにはしていませんが、私はかなりの撫肩なので普通の肩傾斜の方でしたら、もう少し肩先が上がります。

パンツもいつもより太めにしました。
ワンタックのインプリーツにし、ヒップ回りも少し余裕を持たせ、ヒップから膝にかけてストンとまっすぐなラインが出るようにしました。

スーツのデザインやシルエットを変えると新鮮の気持ちになれて楽しいですね!!

かつ店
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2008年08月09日

ス・ミズーラ、ニューモデル登場『ブリティッシュモデル』!!

本日でス・ミズーラのニューモデルのご紹介は最終回となります。
最終回の今日は、最後の一型、”ブリティッシュモデル”をご紹介させていただきたいと思います。

ブリティッシュモデルはニューモデル3型の中で一番開発に時間を費やしたモデルです。
このモデルの特徴である構築されたショルダーライン、胸のドレープ、絞りを強調したウエストライン等をしっかり表現するには、裁断、縫製、付属のマッチングが全て上手くいかなければいい商品が出来上がりません。

この”ブリティッシュモデル”は、マスターパターンの作成にも時間をかけたのですが、それ以上にファクトリーとの縫製の打合わせ、サンプルの検討、そして修正に十分に時間をかけました。
ブリティッシュモデルは縫製技術を要するため、単に裁断をしたものをファクトリーに流し、縫製してもらえばいい、という風に簡単にはいかないのです。

デザイン面におきましても、ニューモデル3型の中でこのブリティッシュモデルが一番デザインを全面に打ち出したモデルになっています。市場ではクラシコタイプのスーツが中心のため、このブリティッシュモデルはとても新鮮に見えてきます。

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(画像は3釦(3B×1)ですが、この他に2釦(2B×1)、ダブル6釦(6B×2)もご用意しております)

画像にありますように、標準では胸ポケットはストレートポケットに、腰ポケットはスラント(斜め)のチェンジポケット付きにして”ブリティッシュモデル”独自のデザイン提案をしておりますが、胸ポケットをバルカに変えたり、腰ポケットをストレートにしたりチェンジポケットを無しにしたりといったご変更はご自由にしていただくことが出来ます。

着こなしとしては、クラシコモデルはジャストサイズのフィッティングが見た目にも綺麗ですが、このブリティッシュモデルは、少しタイトに着ても、少しゆとりを持たせて着ても着こなしとして成立するように思います。私はこのモデルは、いつもよりは少し上着にゆとりを持たせ、パンツのシルエットもいつもより巾を出して着たいと思います。

このブリティッシュモデルには、英国製などの打込みのしっかりとした重厚感のある生地が相性がいいように思います。ライトウエイト素材とはまた違った着心地が楽しめて新鮮に感じていただけると思います。

シリーズでご紹介させていただきました3つのニューモデル、いかがだったでしょうか。三者三様、それぞれのモデルに特徴があり、違った雰囲気を持ち合わせています。そこにお客様のエッセンスが加われば、さらに味い深いオリジナルのスーツが出来上がります。

以上でシリーズでお送りしてきましたス・ミズーラ、ニューモデルのご紹介を終わらせていただきます。長期に渡り長々とした(笑)ご説明におつき合いいただきまして誠に有難うございました。ついつい力が入ってしまいました(笑)。お許し下さい。


P.S   スミズーラ以外のお仕立でカスタム、ハンドメイドはこのカテゴリーでご紹介いたしておりますのでよろしくればご覧ください。


かつ店
posted by Tailor KATSURA at 12:17| Comment(3) | TrackBack(0) | クラス別お仕立説明