大阪はかなり暑くなり、梅雨で雨模様の日が多くなってきましたね!
ビジネスにおいては去年に引き続きクールビズ・スーパークールビズが推奨され、服装におけるビジネススタイルが変わりつつあります。今まで以上に単品アイテムが見直され、その中でオンの時もオフの時も、パンツによるお洒落が以前にも増して注目されています。
定番のグレー系のウールパンツをはじめ、ベージュ系のコットンパンツ・チノパンなど、誰も1着はワードローブにお持ちになられていると思います。
最近、雑誌などのスナップ写真では、白パンのコーディネイトがよく取り上げられるいますが、こちらもお洒落に敏感な人達にはすっかり定番化したように思います。
カラーパンツも以前よりもよく見かけるようになりましたが、皆さんカラーパンツはどのようにお考えですか?
まだお持ちでない方も雑誌やお店でご覧になられて、「今年こそは挑戦してみたい!」と思われている方も多いのではないでしょうか?
会社によってはドレスコードが厳しいところもありますから、ビジネスシーンで履くのはなかなか難しいアイテムですが、オンで履かれるベージュ系のコットンパンツ・チノパンと見た目の雰囲気が一目で変りますから、同じコットンパンツでもオンとは違ったオフの装いを表現できるアイテムです!
またカラーパンツは『大人の休日のお出かけ』や『リラックスした夏らしい装い』に是非気軽に挑戦していただきたいアイテムの一つだと思っています。
という訳で(前ふりが長くなりましたが・・・笑)、今回のミニシリーズは『カラーパンツ』を取り上げ、お客様の出来上がり品とともにご紹介をさせていただきたいと思います。
実は、GW前に「そろそろ夏に向けたコットンパンツの生地をブログでご紹介させていただこうかと考えていた矢先、ブログで何度かご登場いただいているTSさんからコットンのカラーパンツを工場縫製のカスタム仕立てでオーダーをいただききました。そこで私はいつもの調子で(笑)『渡りに船!これ幸いと!』またまたTSさんに頼み込んで着用写真でのブログへの登場をお願いしました。
(いつも私どもの無理なお願いを聞いていただいて恐縮でございます・・・笑)
今回も数回のシリーズで?と密かに考えたのですが、TSさんより『ブログを見られているお客様のご参考になるのであれば別に今回も僕の着用写真も載せるのはいいですよ!でもすごく拘り派のお客さんみたいに書くからなぁ・・・汗。40もとうに超えたおっさんのパンツが何かの参考になるのかな?いつもより軽めのブログでお願いしますね・・・笑』と仰られたので、出来るだけ軽めでいかせていただきます(笑)。(長くなりそうですが・・・笑)
まずはその今回オーダーいただいたカスタム仕立(工場縫製)のカラーパンツの画像をご覧下さい。

縫製:当店カスタム仕立(工場縫製)
デザイン:ノータック、ストレートライン
生地:ラルスミアーニ製(伊) Cotton 100% 310/340g/M(中肉厚)
色:イエロー系のコーンカラー
ディテール:ベルトステイループ、バックスリット、フラシループ、パンチェリーナ、2重持ち出し、ファスナー仕様
ディテールは以前ご紹介したロイヤル仕立のものとほぼ同じです。今回はフロントのコインポケット、内側の隠しポケット、膝当てを省いています(
こちらでご覧いただけます)。
またTSさん拘りのサイドポケットは、シーム(脇線)に掛からない片玉縁仕様です。後ろのビスポケットは左右お付けしています。
以上の仕様は全て当店のス・ミズーラでもお受けできるディテールなのですが、TSさんはあえてカスタム仕立でご注文されています。
それは、オーダー経験が豊富なTSさんはご自身の体型も熟知されていて、またご要望も大変シビアなのですが(汗)、私どもの縫製システムも考慮され同じファクトリー縫製でもマスターパターからの補正ではなく個別の型紙を使うカスタム仕立でのオーダーをご選択された、というのがその理由です。(TSさんの奥様は服作りのプロの方でパターンメイキングや服作りを熟知しておられます・・・汗)
また以前ご紹介させていただきました、ロイヤル仕立のグレーのサキソニーのパンツは、ダブルで裾上げをされていますが、今回のカラーパンツは3.5cm幅のシングルタタキ仕様にされています。
初めは「ダブルもありかな」とご検討されたのですが、今回のパンツのラインとカラーパンツというアイテムのコーディネイトを考えられた時、シングルタタキがベストと判断されました。
ちなみにTSさんはウールパンツの場合は裾口の落ち感を出す為にダブル仕様にされています。(ダブルにすると生地の重みも手伝って裾口に落ち感が出ます)
それと今回はファクトリー縫製ですから、当店の縫製職人の手アイロンによる丁寧なクセ取りは出来ませんので、いわゆるS字のカーブパンツではございません。
今回はコットンパンツですので洗濯の機会も多いということもあり、メンテナンス性重視でファクトリー縫製にされています。
ご体型とのバランスありきの仕立て服では、部分の単純な数値の羅列はあまり意味が無いのですが、TSさんが「お客様の参考になるなら全部公開してもいいよ!」と仰っていただいていますので、ここで以前にご紹介させていただいたパンツ(
その1、
その2)とちょっと比較してみることにします!
当時より少しお痩せになられています。
ウエスト89cm→87cm 股上24.5cm
〈前回グレーパンツ〉〈今回仮縫い寸法〉〈今回仕上がり寸法〉
渡巾 34 32.5 → 32
膝巾 25.5 25 → 24.5
裾巾 21.5 21 → 20.5
今回は素材がコットンということと、パンツの色目も考慮され上記の仮縫いの数値をご指定されました。
そして仮縫いで生地の特性やラインの出方、またご自身のご体型とのバランスや着心地を確認され、最終当店のカッターとご相談をされ、『渡り』から『裾』にかけてのラインを仮縫い時よりさらに0.5cm程細く修正されました。
上記のように仮縫いの工程をお付けしますと、色の明暗によってシルエットが微妙に違って見えてくることなどや、数値上の比較だけではわからない部分なども完成までにご確認していただくことができ、よりイメージに近い仕上りにすることが出来ます!
以前に、パンツの色がシルエットの見え方にどのような違いをもたらすかをブログで取り上げましたのでご興味のある方は
こちらをご覧下さい。
今回のパンツの裾巾や裾丈ですが、TSさんの場合かなりの長身で股下も長いので、例えば裾を19cm位に細くしたり、丈をスパッと短くされますと、バランス的に一般的な体格のかたより先細りに見えたり無理やり短いのを履いているように見えたりしますので、それほど細い裾巾にせずカラーパンツの軽快感が無くならない程度のクッションにされています。
また靴のサイズも考慮され(仮縫いで実際に履く靴を履き)、裾巾やパンツのラインをTSさんの考えられるベストなバランスに落ち着くよう仮縫いでご自身で見極めておられます。
ちなみに今回写真でパンツに合わされている靴は当店のペルフェットのパターンオーダーシューズです!
アノネイのライトブラウンの革を使った『ダブルモンク』です。サイズは9・1/2のEです。
TSさんにちょっとご質問をさせていただきました!
「このカラーパンツに足元は他にどんなものを合わされますか?」とお聞きしたところ、
「当日はペルフェットのライトブラウンのダブルモンクだったけど、スリップオンも良いですね!それとやっぱりコンバースやスペルガとかの昔ながらのローテクスニーカー・デッキシューズ・モカシン・ドライビングシューズ等を素足に履くのも夏らしいと思います。その時はベルトはリボンベルトやエラスティックかメッシュが夏らしくて合いそうですね。そうするとやっぱりパンツの裾は夏ぽっく時にはロールアップでも履きたくなるから、それなら僕的には今回のパンツに関しては裾はシングルのタタキが一番かな?ロールアップもできる位の丈にしたし」とのことでした。
いかがでしたでしょうか?TSさんのカラーパンツのご紹介皆様のご参考になりましたでしょうか?
是非皆様もこの夏は、ご自身のお好みの色やサイズに合わせたカラーパンツをオーダーで作ってワードローブに加えてみてはいかがでしょうか!
(今回もTSさんにはブログ掲載にご協力いただきまして有難うございました。そして「ブログに載せるならやっぱりペルフェット履いて写らないと駄目だよね?桂さん」と仰ってわざわざ当日靴をご持参いただくなど、撮影の為に細やかなお心使いいただきまして本当に有難うございました。)
次回はカラーパンツにオススメの生地などをご紹介させていただきます 。